いま世界150万部突破・39か国刊行のベストセラーとなっているのが『STOP OVERTHINKING ── 思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』だ。Amazon.comでも13,000超のレビューで世界が絶賛する話題書についてライターの照宮遼子氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
計画を立てた瞬間、
やった気になる「恐ろしい罠」
秋から年末にかけて書店に並ぶ、カラフルな手帳たち。
「新しい年こそ、理想の自分に」と思いながら、ページを開く。
元日の静かな朝、真新しい手帳に目標を書き込む。
「毎朝6時起き」
「週2でジム」
「月1冊ビジネス書を読む」
書き終えた瞬間、目の前の一年が少し整ったような気がして、胸が高鳴った。
しかし、仕事が始まってしまうと、手帳は引き出しの奥に滑り込み、二度と開かれない。
気づけばもう2月。目標を書いたことすら忘れてしまっていた。
そんな経験がある人も多いのではないだろうか。
なぜこうなるのか。
それは、計画を立てること自体が、一種の達成行動だからだ。
手帳に理想を書き出すと、脳は「少し前に進んだ」と錯覚してしまう。
だが、現実の世界ではまだ一歩も動いていない。
正月の静けさの中で描いた理想のスケジュールは、気づけば現実に押しつぶされ、あっけなく崩れていく。
私たちは考えることにエネルギーを使い果たし、動く前にすでに疲れてしまっているのだ。
世界的ベストセラーの教え
この年末も日本で話題となっている、全世界150万部突破のベストセラー『STOP OVERTHINKING』の著者ニック・トレントン(行動心理学修士)はこう述べている。
どれほど綿密な計画を立てても、実際に動いてみなければ正しさはわからない。
私たちは行動を始める前に、思考で完結してしまうからだ。
そこで、本書が伝えるのは「完璧に準備してから動く」のではなく、「動きながら確かめる」という発想だ。
目標を書いて満足してしまう人が
動き出すためのたった1つの方法
計画は、実行して崩れたときにこそ、初めて現実のデータが手に入る。
「週2でジム」が無理なら「週1の自宅ストレッチ」でもいい。
「毎朝6時起き」が続かないなら、まず「週2日だけ」でもかまわない。
行動は、計画の次にあるものではなく、計画を検証するためのプロセスだ。
そして、一年を変えるのは「完璧なプラン」ではなく、その日一日の、小さな実験の積み重ねである。
「来年こそは」と言い続けるのをやめたいなら、立派な目標を書くより、まず小さな一歩を踏み出すこと。
本書を読んで気づかされたのは、理想を書く時間よりも、動き出す瞬間のほうがずっと自分を変えるということだ。
ページを埋めるより、今日の5分を動かす。
それこそが、本当の新年のスタートなのだと思う。
(本稿は『STOP OVERTHINKING ――思考の無限ループを抜け出し、脳が冴える5つの習慣』に関する特別投稿です)