あのころと同じ夢
「トヨタGRヤリス」のマイナーチェンジモデルが登場。ただし、いわゆるお化粧直し的な改良は一切なし! ひたすら速さのみを追求した、いかにもマニアックな進化を遂げているのだ。最上級グレード「RZ“ハイパフォーマンス”」の8段ATモデルをドライブした。
もはやぜいたく品のホットハッチ
GRヤリスの発売はコロナ禍真っただ中の2020年9月ということだから、間もなく6年目を迎えることになる。この間、ライバルが続々登場……には至っていない。どころか、WRCへワークス参戦するエントラントも減っている。
その間、本場の欧州で何があったかといえばCAFEやユーロ6などの規制によるCO2およびエミッションの締め付け強化の一方、電気自動車化への政治圧力が高まっていったわけで、それによりハイパワーを廉価で楽しめるホットハッチのような企画は価格的に成立しなくなってしまっている。それでも踏みとどまっている数少ない銘柄といえば「ゴルフGTI」だが、本国のドイツでも4.5万ユーロ超〜と、若者にはとても手の届かないところにいってしまった。そんな市況ゆえ、WRCに予算を割いても販売増の見返りが望めないという悪循環に陥っている。それが欧州の現状だ。
ちなみにGRヤリスのドイツでのお値段はほぼ5.2万ユーロ〜と、現在のレートで換算すると日本の値札がうそのように思えてくる。と、そんなGRヤリスにこの春、2度目のマイナーチェンジが施された。といっても1度目は2024年1月の東京オートサロンで発表と、時間的には1年余りしかたっていない。しかも2024年のマイナーチェンジでは内外装の実戦的な変更やエンジン出力向上など、ひと通りかつ大がかりに手が加えられている。
はたして今回は何を……というわけだが、さすがにメニューは前回に比べると地味だ。足まわり部品の取り付けボルトの締結強度アップのためにリブを加えたりフランジの肉厚をアップし、それに合わせてダンパーやEPSのチューニングを再変更したりという具合だ。前回のマイナーチェンジで追加された8段AT「GR-DAT」は、よりダイレクトな応答性を目指して変速マネジメントを早速見直した。...