「持っている」という事実
泣く子も黙るタフなオフローダーの「ディフェンダー」に新たな旗艦「オクタ」が登場。ググッとワイドに広げられたフェンダーが目を引くが、エンジンや足まわりまで専用に仕立てられた“史上最強”モデルだ。ひとまずオンロードでの仕上がりをテストした。
使い切れないほどの高性能
「メルセデス・ベンツGクラス」(現行モデル)の国際試乗会でのこと。「G63」の商品説明の際、エンジニアが「従来型のG63には、実はやり残したことがありました」と口を開いた。「オンロードでのパフォーマンスや石がゴロゴロ転がっているような悪路での走破性はトップレベルに達していたと思います。ただ、ラフロードのようなところを“速く”走る性能に関しては、もっと突き詰める余地が残っていると感じていました」という。それを実現するために、新しいサスペンションシステムを組み込むなどの改良を施したそうだ。そして、試乗会場に特設された未舗装路では、乗っている自分でもちょっと引くほどの速さと安定感を見せつけられた。
ディフェンダーのオクタも、資料を読み込むとやはり未舗装路での性能向上を図ったというようなことが書かれていた。メーカーやブランドが違っても、こういうクルマの開発に携わるエンジニアが目指すところは、自然と同じ方向になるんだなと思ってなんとも興味深かった。
いっぽうで、飛び抜けた出力とトルク、ずばぬけたオフロード走破性など、ごくごく普通の暮らしをしているユーザーにとっては到底使い切れない、あるいは持て余してしまうほどの性能がSUVに本当に必要なのだろうか、なんて最近は思うようになったりもしている。それって要するに、メーカー同士の競争にユーザーが巻き込まれているだけではないか? そのせいで、車両価格もうなぎ登りになっているのではないか? そんなことを、ディフェンダー・オクタに試乗しながらあらためて考えてみた。...