狙うは「タイプR」の対極
実に24年ぶりに復活するホンダの2ドアクーペ「プレリュード」。その車名を聞けば、リアルタイム世代は懐かしさを覚えるだろう。2025年9月に予定される6代目モデルの正式発売を前に、開発の経緯やその特徴を3人のキーマンにうかがった。
思いは最後のエンジン搭載スポーツモデル
2023年秋のジャパンモビリティショーでのコンセプトカー初公開以来、ホンダは新型プレリュードの情報を小出しにしてきた。2024年12月にはカムフラージュ姿のプロトタイプで、パワートレインが新技術の「ホンダS+シフト」を備えるハイブリッドであること、そしてフロントサスペンションが「シビック タイプR」ゆずりのデュアルアクシスストラットであることなどを明らかにした。そして2025年初頭の東京オートサロンでは市販版のエクステリアを、この4月にはインテリアデザインを順次公開してきた。
で、この夏、ついに公式ウェブサイトで正式な市販型の姿と2025年9月という国内発売予定を正式発表。それに合わせて、メディア向けに開発責任者や担当デザイナーが実車を前に、その思いを明かす説明会が催された。
最初にお話をうかがったのは、新型プレリュードの開発責任者である山上智行さんだ。山上さんは最近まで現行型シビックの開発責任者もつとめていた。また、先代までは北米向けに「シビック クーペ」もあったから、「これはプレリュードの名を借りた新型シビック クーペ?」と思って聞いてみたら、そうではないという。
「現行シビックをクーペにするという発想はありませんでした。今のシビックを単純にクーペ化したクレイモデルを検討材料としてつくったこともありましたが、まったくダメでした。まるで昔の『CR-X』を上に伸ばしたみたいなプロポーションだったんです。
今回のそもそもの発端は『ハイブリッドでスポーツカーをつくりたい』というもので、最初はプレリュードという名前もありませんでした。来るべきカーボンニュートラルの時代に向けて、ホンダのDNAである操る喜びを提供したいと考えたんです。完全な電気自動車の時代になる前に、それこそ最後のエンジンを積んだホンダのスポーツモデルになるかも……というくらいの思いでした」...