タフでなければ
「レクサスLX」に新開発のハイブリッドを搭載した「700h」が登場。燃費やドライバビリティーの向上を図ったのはもちろんのこと、「生きて帰ってこられる」も犠牲にしない待望のパワートレインだ。オフロードに特化した新グレード“オーバートレイル+”をドライブした。
砂漠のレクサス
鬼面人を威(おど)すようなフロントグリルの迫力や堂々たる巨体を目の当たりにして「いったいどこでどんな人が乗るんだろう?」といぶかしむ人もいるかもしれないが、安心してください。世界は広いんです。広大な砂漠や荒涼とした原野では、むしろこのぐらいの迫力がなければ頼りなく感じられるだろう。何しろレクサスLXはそういう舞台で活躍するために生まれたクルマである。
2021年にデビューした通算4代目のLX(国内発売は2022年)のお披露目の舞台は、サウジアラビアとアラブ首長国連邦だった。中東地域がレクサスLXの最重要マーケットだからである。年間生産ざっと3万台のうちほとんどが海外の市場向けというが、そのうち中近東諸国だけでおよそ5割を占めるという(ロシアと北米を加えると9割と以前聞いた)。それがレクサスのフラッグシップSUVのLXなのである。
そのLXは2025年春にマイナーチェンジを受けたが、同時に追加されたのがLXとしては初のハイブリッドモデルである700hだ。これまでは3.4リッターV6ツインターボガソリンエンジンを積む「600」のみだったが、700hは3.4リッターV6ツインターボにモーターとクラッチを加えた新しいハイブリッドパワートレインを搭載。600と700hのどちらにも標準車と4人乗りショーファードリブン仕様の“エグゼクティブ”、そしてオフロード志向の“オーバートレイル+”の3タイプが設定されている(従来は“オフロード”というグレードだった)。
今回の試乗車は「ムーンデザート」という専用色に塗られた700h“オーバートレイル+”で、フロントグリルをはじめボディー各部をブラックアウトした精悍(せいかん)ないでたちで、さらに18インチのM+Sタイヤ(他のグレードは20または22インチ)とマットグレー塗装のホイールが標準、“オーバートレイル+”にはセンターデフに加えて前後のデフにもロック機構が備わる。...