フレンチ由来のイタリアン
フィアットの小型クロスオーバー「600」に、ハイブリッド仕様の、その名も「600ハイブリッド」が登場。フィアットブランドのモデルながら、旧グループPSA系の技術で構成された一台は、いかなる走りをみせるのか? メーカーの未来を担う注目車種の実力に触れた。
メーカーの命脈をつないだパワートレイン
BEV(電気自動車)シフトからマルチソリューション化へと、揺り戻しの時期にある欧州の自動車メーカーにおいて、ステランティスも戦略の見直しを急いでいる。直近の目標としては、2026年までに36モデルのxHEV(ハイブリッド車/プラグインハイブリッド車)の設定を掲げており、欧州ではすでに30モデルを発表済みだ。その中核に位置づけられるのが、このフィアット600ハイブリッドにも搭載されるマイルドハイブリッドのパワートレイン/ドライブトレインとなる。
エンジンは1.2リッター3気筒直噴ターボを搭載。排気量と気筒数から推察できるとおり、これは旧グループPSAの「EB2」型をベースとしており、ミラーサイクル化や可変ジオメトリーターボ、高圧インジェクターの採用など、40%以上の部品を新開発している。これに48Vの駆動用モーターとデュアルクラッチ式の6段変速機を一体化した「e-DCT」を組み合わせてHEV化したわけだ。ちなみにこのアクスルは、ベルギーのパンチパワートレインとの共同開発となるが、ステランティスはe-DCTを生産するイタリアの合弁会社を100%出資化するなど、xHEV需要拡大への対応を加速させている。ちなみにこのパンチパワートレイン、名前の軽さからスタートアップなどを想像するが、過去を探れば旧DAF系と、なかなか骨っぽいサプライヤーである。
このパワー&ドライブトレインを搭載したモデルは日本でも急速に数を増やしており、「シトロエンC4」や「アルファ・ロメオ・ジュニア」、プジョーの「308」「3008」などが挙げられる。グループ内では従来の1.5リッター4気筒ディーゼルの置換的位置づけでもあるというから、将来的には“ベルランゴ3兄弟”あたりにも搭載の波は広がるかもしれない。
アウトプットは600ハイブリッドの場合、エンジンは最高出力136PS、最大トルク230N・mで、モーターが同22PSと51N・m。システム最高出力は145PSと発表されている。ちなみに、欧州では車型に応じてリアにもモーターを付加したe-4WDの仕様もあれば、エンジン出力が100PSの仕様もありと、すでに多様化が進行中だ。駆動用バッテリーの容量は約0.9kWhとなり、最長1km、最速30km/hまではそれのみでの単独走行も可能となっている。...