絶妙なつくり分け
「トヨタ・クラウン」の3年がかりのモデルチェンジがついに完了。大トリを飾る「エステート」は大容量のラゲッジスペースが特徴となっており、シリーズで一番遊べるクルマといえるだろう。ハイブリッドパワートレイン搭載の「Z」グレードをドライブした。
ちょっとだけパワフルなエステート
16代目となるクラウンが4車種まとめて発表されたのは、2022年7月のこと。同年秋にまずは「クロスオーバー」が発売されて、翌年秋には「スポーツ」と「セダン」(商品名は素のクラウン)が登場。最後のエステートも2023年度内の発売予定とされたが、“さらなる車両のつくり込み”を理由とした発売延期やら、例の不正問題に端を発する認証作業の一時休止などもあって、正式発売は最初の公開から約2年7カ月が経過した2025年3月にまでずれ込んだ。そうこうしているうちに、最初のクロスオーバーは一部改良を受けていた。
そんなクラウン エステートの基本メカニズムは、FRベースのセダンを除く、クロスオーバーとスポーツを加えた3台のSUV系クラウンで共通部分が多い。基本骨格はFFベースの上級プラットフォーム「GA-K」を使い、2850mmのホイールベースはクロスオーバーと共通だ(スポーツのそれだけ80mm短い)。パワートレインは全車なにかしらのハイブリッドで、かつ後輪にモーターを追加した4WDとなる。グレード構成も3台共通で、エントリーグレードにあたる「Z」と上級の「RS」の二択。前者のパワートレインは全車ほぼ共通の2.5リッターハイブリッドだが、RSのそれはエステートとスポーツでは2.5リッターのプラグインハイブリッド、クロスオーバーでは2.4リッターターボの非プラグインのハイブリッドとなる。
今回試乗したエステートはZグレード。心臓部はほかのFF系クラウンと同じ2.5リッターハイブリッドだが、先に“ほぼ”共通と書いたのは、エステートだけエンジンチューンが少しだけ強力で、フロントモーターもパワフルなタイプになるからだ。先行したクロスオーバーとスポーツのZのフロントモーターが最高出力およそ120PS、最大トルク202N・mの3NM型なのに対して、エステートのそれはプラグインハイブリッドと共通の5NM型で、182PS、270N・mをうたう。...