心地いい大人の味わい
潔くセダンを廃止し、ステーションワゴン一本で勝負する新型「フォルクスワーゲン・パサート」。最新の「MQB evo」プラットフォームを採用してひとまわり大きくなったボディーと、ディーゼルエンジン「TDI」の織りなすフラッグシップモデルの走りを、ロングドライブで確かめた。
「ゴルフ」よりも歴史の長い「パサート」
日本でのフォルクスワーゲンのフラッグシップ──と聞けば、SUV全盛の現代では、そこに同時期に世代交代を行った「ティグアン」の名が浮かぶ人もいるかもしれない。しかし、その基準を「ボディー全長」とした場合、トップの座は紛(まご)うことなく新しいパサートのものとなる。
現在でもセダン市場が大きい中国向けを除けば、歴代モデルとして初めてステーションワゴンボディーの単一構成となった新型の全長は、ティグアンのそれを400mm以上も上回り、「ヴァリアント」のサブネームが用いられた従来型ステーションワゴン版よりも一気に130mmも延長された4915mm。同時にホイールベースも従来型比で50mm長く、なるほど、フラッグシップとしての適性はより濃厚になったといえそう。実際、目の前に現れた際の第一印象は「大きくなったナ!」というものだった。
日本においてフォルクスワーゲンブランドで高い知名度を誇るのは圧倒的に「ゴルフ」だが、グローバルな販売のボリュームでみれば、累計3400万台というパサートが3800万台のゴルフに肉薄。加えれば、2023年8月に9代目が発表されたパサートの歴史は初代の登場が1973年なので、同じく初代誕生が1974年のゴルフよりも実は1年先輩にあたる。
すなわち、日本ではゴルフの陰に隠れたカタチになっているものの、多くの人が思うよりも実ははるかにロングセラーでベストセラーと紹介できるのが、このモデルでもあるのだ。...