文武両道のスポーツモデル
333PSの高出力をハイテクで御す「フォルクスワーゲン・ゴルフR/ゴルフRヴァリアント」と、伝統のホットハッチ「ゴルフGTI」に、クローズドコースで試乗。普段は試せない走りを試すことでわかった、両者の違いとそれぞれの魅力をリポートする。
これぞ本当の万能マシン
「究極のパフォーマンスと実用性」を両立させたクルマが、フォルクスワーゲン・ゴルフのRシリーズである。ウォルフスブルクからのそんな主張を真正面から受けとめるなら、最高出力333PSの強心臓を持つAWDワゴン「ゴルフRヴァリアント」こそ、そのフレーズを最も体現した一台であろう。
……てなことを、いささか大仰に考えながらワゴンボディーのゴルフRのリアシートに座ってみると、なるほど、膝前にはこぶしひとつ分ほどハッチバックモデルより多く余裕がある。最近のSUVスタンダードに慣らされた身では、絶対的な後席スペースに感銘を受けることはないけれど、キチンと座れる座面の高さ、シートバックの形状、適度な囲まれ感がある上体まわりと、落ち着いた環境に好感を抱く。“ちょっと古い”クルマ好きのなかには、「そうそう、こういう感じだったよな」と懐かしく感じる方もいらっしゃるでしょう。
ワーゲンファンの間では知られたことだが、8世代目ゴルフのヴァリアントは、ホイールベースがハッチバックより50mm延ばされ2670mmになっている。たかが5cm、されど5cm。その増加分は、ほぼ後席乗員のために使われる。快速荷車を求めるユーザーだけでなく、公私問わず人間を運ぶ機会が多い忙しい人も、ゴルフRのワゴンボディーを検討していいかもしれない。
ヴァリアントの車体寸法を見ると、全長はハッチバックの4295mmから4650mmになり、ワゴンとして肝心な荷室容量は、ハッチバックの341リッターから611リッターに爆上がりしている。リアシートの背もたれを倒した場合は、1197リッターに対して1642リッターだ(いずれもVDA法)。
ヴァリアントのリアゲートを開けると、いかにも使いやすそうな長方形のフロアが広がり、もちろん床下収納も備わる。手持ちのメジャーで実測してみると、奥行きは約105cm。ハッチバックのそれが約75cmだから、当たり前だがボディーの延長分はラゲッジスペースにも生かされている。ヴァリアントのリアシートを倒せば、約185cmもの奥行きが生まれる。...