もはや好敵手
中国BYDが日本に向けて放つ第4の矢が「シーライオン7」だ。大きなボディーに大きなバッテリー、パワフルなモーター、充実の装備類などがすべてそろって、お値段は572万円(4WD)という驚異的な電気自動車である。果たしてその仕上がりやいかに?
まさに飛ぶ鳥を落とす勢い
コロナ禍による人流停止や情報遮断を経て迎えた前回=2023年の上海モーターショーは、ふたを開けてみれば地元中国のメーカーが国家的な技術指針の策定や補助金による援助を背景に新エネ車(NEV)、すなわち電動車のカテゴリーで長足の進化を遂げていた。それを察知できていなかった日米欧のメーカーははしごを外されて大慌てとなったわけだが、その余波は今も続いていて、海外組は販売減を食い止めるべく必死の形相だ。この間に日米欧のメーカーはおのおの10%前後も市場シェアを落としている。
そんなこんなで2025年4月に開催された上海モーターショーは、海外組が中国のために中国の合弁先と中国で企画開発しました……的なクルマの発表がめじろ押しとなったわけだが、それでも会場でひときわプレスや出展者たちの注目を集めていたのが、上位ブランドのデンツァやヤンワンなども交えて陣取ったBYDの巨大なブースだった。同業ゆえにチェックの目も厳しくなるわけだが、それをやんわりいさめるようにスタッフを張り付かせるサマを遠目に見ていると、昔日の東京やフランクフルトのモーターショーを思い出す。ほんの少し前までは、立場はまるで逆だったわけだ。
そのBYDが日本に送り込んできた4番目のモデルがシーライオン7だ。2024年に投入された4ドアサルーン「シール」のSUV版とも思えるが、バッテリーマネジメントやインフォテインメントシステムのアップデートなどハードウエア側の進化も加えられている。
シーライオン7のサイズは全長×全幅×全高=4830×1925×1620mm。シールに対しては30mm長く、50mm広く、160mm高いことなる。ホイールベースは2930mmとシールに対して10mm長いことになっているが、これは計測値の微妙な差異から生じているもので、車台は同じ「eプラットフォーム3.0」と考えていいだろう。車重はカタログ値比較でシールより130kg重い。
バッテリーはシールと同じ、リン酸鉄=LFPを用いたブレードバッテリーを搭載。それ自体を構造体として用いるセルtoボディー構造を採用している。容量もシールと同じ82.56kWhだ。シーライオン7で新たに加えられたのは予熱機能で、冬季や寒冷時にはバッテリーの温度を高めて受電能力を最適に保つプレコンディショニングが作動する仕組みだ。...