王者のプライド
メルセデスのフラッグシップセダン「Sクラス」がマイナーチェンジ。スイス・チューリッヒで試乗した最新型の仕上がりは、あらゆる面において、トップモデルとしての完成度を実感させるものだった。
最上級セダンの威厳を回復
先日、早くも日本上陸を果たした新型メルセデス・ベンツSクラス。フェイスリフトとしては異例ともいえる大規模な発表会が催されたが、それが単なるお色直しにとどまらず、実に6500カ所にも上る変更を施した意欲作だと聞けば、それもなるほどうなずけるところだ。 そうは言いつつ、まず気づくのは外観がより押し出しの強いものとなったことだろう。650m先まで照らすというウルトラハイビーム付きのマルチビームLEDヘッドライトには3本の光のトーチが組み込まれ、目ヂカラを強調している。やはり3本のツインルーバーを持つラジエーターグリル、そして開口部が拡大されて力強さを増したバンパーと相まって、堂々とした印象が強まった。一方で、新デザインのバンパー、クリスタルルックのLEDリアコンビネーションランプを得たリアビューは、分かる人には分かるという雰囲気だろうか。 率直に言って、これまでS/E/Cクラスのセダン3兄弟はあまりにも似過ぎていて、筆者などは今でもなお、見間違えるほどだ。実際、ユーザーからも差別化を強めてほしいという声があがっていたという。結果、どうだろう。これならSクラスの威厳、保たれるのではないだろうか。
インテリアは、2画面のディスプレイを連結させたワイドスクリーンコックピットを採用。そしてステアリングホイールの形状も新しくなった。スポークの親指に近い部分にはEクラスに続いて「タッチコントロールボタン」が設けられている。この辺りはEクラス以降の流れだが、メルセデスの熱心なファンほどショックに違いないのが、ディストロニックのスイッチが、直感的に使えて扱いやすかった従来のレバー式から、ちまたによくあるステアリングスイッチへと改められたことだ。似たようなスイッチがズラリと並ぶ場所に、わざわざ移すなんて……。
それを除けば雰囲気、仕立ては相変わらず文句なし。ホットマッサージ機能付きのシート、64色のアンビエントライト等々、おもてなし機能もズラリとそろう。...