進化するシーラカンス
今もなお、1950年代にルーツを持つプリミティブなスポーツカーをつくり続けるケータハム。そんな彼らの最新モデルが「スーパーセブン600」だ。このクルマの確かな進化からは、クラシックな英国のスポーツカーメーカーに起きている、好ましい変革が感じられた。
いつの間にやら日本資本に
2021年に日本のVTホールディングスが経営権を取得したケータハム(参照)は、その後、本社工場を移転し(参照)、電動スポーツクーペのプロジェクトも発表(参照)。積極的な動きをみせていて、着実に改革が進んでいることを実感する。2024年に追加された「スーパーセブン600/2000」も、そんな流れのなかで生まれたモデルといえるだろう。
そもそもセブンは、ロータスが1950年代に開発した、そのままでアマチュアレースを戦えるプリミティブなスポーツカーがルーツである。そのころからスーパーセブンという車名はあったが、それはセブンの高性能モデルのことだった。その後、1970年代にケータハムがこのクルマの製造・販売の権利を引き継ぎ、現在に至るわけだが、僕が1990年前後に趣味的なクルマを扱う雑誌の編集部員として接していたときは、すべての車種がスーパーセブンと名乗っていた記憶がある。近年のケータハムが、この名前を「クラシカルなセブン」という位置づけにしているのは、そのころを知るエンスージアストに対するメッセージという意味もあるだろう。
車名の数字は、“スーパー”が付かない「セブン170/340」が車重1tあたりの最高出力を示しているのに対し、こちらはおおよその排気量を示していて、600=0.66リッター=170、2000=2リッター=340になる。確かに1990年前後の車種も、「1700スーパースプリント」など排気量をそのまま数字にした車名を冠していたので、ネーミングでもあのころの雰囲気を出そうとしているのではないだろうか。
今回乗ったのは軽自動車登録のスーパーセブン600だ。イエローナンバーのケータハムは、デビュー直後に「セブン160」に何度か乗ったことがあるが、VTホールディングス傘下になった2021年にセブン170に切り替わってからは初めてだ。...