古典と熟成
立体感を強調したルックスが目を引くが、新型「BMW X3」の見どころはそれだけではない。マイルドハイブリッド化された3リッターストレートシックスと磨き込まれたシャシーが織りなす「X3 M50 xDrive」の走りは、ファンの期待を裏切らないものであった。
最新のBMWっぽいディテール
X3はBMWのベストセラーモデルであり、X3は常にその時代のBMWを象徴するかのようでもある。たとえば、現在のBMWは、純エンジン車、それベースのマイルドハイブリッド車(MHEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、そして電気自動車(BEV)といったほぼすべてのパワートレイン選択肢を、ひとつの車種に並列で用意する。今から思えば、先代X3に2020年に追加されたBEVの「iX3」が、その最初だった。
新型X3では純エンジン車が廃止されて、最低でもMHEVになったのは、時代背景を考えればまあ想定できるにしても、BEVのiX3が用意されないのは意外だった。それはどういうことかと調べたら、iX3の後継の役割は、プラットフォームからBEV専用に新開発される「ノイエクラッセ」のSUV版「ノイエクラッセX」がになう。ノイエクラッセXの市販版は、この2025年の正式発表が見込まれている。
そういえば、最新の「MINIクーパー」のエンジン車とBEVも(見た目はそっくりなのに)プラットフォームから上屋まで別物のクルマである。なるほど、エンジン車とBEVでプラットフォームを共用するのは、日進月歩のBEV界わいでは今後は通用しにくくなるのかもしれない。というわけで、新型X3とノイエクラッセXが、今後のBMWの商品戦略のひな型となっていく……のかはわからない。
今やBMWのベストセラーたるX3ゆえ、失敗は許されない。その内外装デザインに今回初めて見るような真新しい挑戦はほとんどなく、ここ数年の新型BMWが先に世に問うて、顧客の目慣らしを済ませたモチーフの集大成となっている。外観では、垂直かつ大型のイルミネーション内蔵キドニーグリル、ツリ目ヘッドランプ、モール類を排してカタマリから削り出したようなプロポーション、空力を意識したフラップ式アウタードアハンドルなどが、いかにも今どきのBMWっぽい。...