ハロー&グッバイ
ジャガーブランド自体の電気自動車専業化が迫るなか、わが国では「Fペース」のモデルラインナップにプラグインハイブリッド車が登場。電気のパワーとともにジャガーのエンジンを心ゆくまで味わえる、「これまで」と「これから」の橋渡しにふさわしい一台である。
SUV以外は生産終了
イングランド中部ウエストミッドランズの中心都市、バーミンガムから東のコヴェントリーを目指すと、郊外の工業団地の中にひときわ目立つ飛行機が舞い上がる大きなモニュメントが見えてくる。スピットファイア・アイランドと呼ばれるそのラウンドアバウトがジャガーのキャッスル・ブロムウィッチ工場の目印である。
第2次世界大戦中はスピットファイア戦闘機やランカスター爆撃機を製造していたキャッスル・ブロムウィッチ工場は、戦後自動車のボディーパネルメーカーの工場となり、ローバーやモーリス、ジャガーなどのボディーパネルを生産していた。ジャガーの主力生産拠点となるのは1990年代末にコヴェントリーのブラウンズレーン工場から基幹モデルの生産を移管されてからである。このキャッスル・ブロムウィッチで2024年5月の末に、最後の「XE」と「XF」、そして「Fタイプ」がラインオフした。ジャガーの内燃エンジンモデルの生産工場としてのキャッスル・ブロムウィッチはその歴史を終えたのである。
ご存じのように、ジャガーは電動化を進めるメーカーのなかでもいち早く、2021年春にEV専業のラグジュアリーブランドとして再出発することを決断し、その期日を2025年と明らかにしている。英国を代表するあのジャガーが本当に踏み切れるのだろうか? などといぶかしんでいる間に時は過ぎ、もうその日は目前だ。
ほぼ20年前に、私はオールアルミニウムボディーに生まれ変わった「XJセダン」(X350)が登場した直後のキャッスル・ブロムウィッチ工場を訪れたことがある。当時は巨額の資金をつぎ込んだ最新鋭工場を自慢していたのに、諸行は無常である。キャッスル・ブロムウィッチは間もなくお披露目される新型EVジャガーのボディープレス工場として模様替えされる予定だ。ちなみに当面生産が継続されるコンパクトSUVの「Eペース」とEVの「Iペース」はオーストリアのマグナ・シュタイヤーで生産されており、Fペースは「レンジローバー・ヴェラール」と一緒にソリハル工場で生産されている。...