ポルシェ流のラグジュアリースポーツ
3代目となった「ポルシェ・パナメーラ」に、風光明媚(めいび)なスペイン・セビリアで試乗。あまたの新機軸が取り入れられた新型は、ポルシェならではのスポーティーな走りを高めつつ、コンフォート性にも磨きをかけたラグジュアリースポーツサルーンとなっていた。
同じサルーンでもキャラクターが違う
ポルシェの4ドアサルーン(厳密には5ドア)のパナメーラが3世代目へとモデルチェンジした。2世代目が登場したのが2016年のことだから、およそ8年ぶりのフルモデルチェンジとなる。 この8年のあいだに世界は一気に電動化へと舵をきった。ポルシェもその例にもれず「タイカン」という電気自動車(BEV)を発売している。パナメーラとタイカンは、パワートレインこそ異なるものの同じ役割を担うモデルのように見える。しかし、パナメーラの開発責任者であるトーマス・フリームスさんに、内燃エンジン車が欲しければパナメーラを、BEVが欲しければタイカンを、というすみ分けなのかとたずねてみたところ、それもあるが本質的には違う役割を担うものだという。
タイカンはスポーツカーであり、いわば4ドアの「911」、一方でパナメーラは、スポーティーではあるけれどもコンフォート性能を重視したラグジュアリースポーツカーなのだと。なるほど、わかったような、わからないような、ふわっとしたイメージを抱きながら試乗へとのぞんだ。
試乗会はスペイン南部、アンダルシア州の州都セビリアを舞台に行われた。温暖な気候、そしてポルシェの試乗会にはマストアイテムである気持ちのよいワインディングロードと本格的なサーキットが近郊にあることでこの地が選ばれたようだ。
出発地点である市内のホテルには、まずベースモデルの「パナメーラ」が用意されていた。明るい朝日に照らされた新型のボディーは全体的によりシャープさが強調されたもの。ボディーサイズは全長×全幅×全高=5052×1937×1423 mm。プラットフォームは先代の「MSB」の改良版である「MSBw」という。
フェンダーの峰は高くなり、運転席から見えるさまは911や「718」を思わせる。ナンバープレートホルダーの上には、新たにエアインレットが追加されている。四角く配置された4つのLEDモジュールが印象的なマトリックスLEDヘッドライトのラインも、鋭くよりキリッとした目つきになった。パナメーラの特徴である、スポーティーなサイドビューをかたちづくる“フライライン”は、もちろん継承されている。ちなみにワゴン版である「スポーツツーリスモ」はこの3世代目では設定されない。リアライトはポルシェのロゴが組み込まれ、より立体的な造形となっている。...