男の子は我慢できない
最新の「ディフェンダー90」では5リッターV8スーパーチャージドエンジンが選べるようになった。実際は4気筒や6気筒で十分かもしれないが、やはりV8の響きは重い。そして豊かなパワーと優れた感触を味わってしまうと、「やっぱこれかな」と心が迷宮入りしてしまうのだった。
伝統のV8ユニット
世を挙げての電動化などどこ吹く風とでも言いたげな、ディフェンダーのラインナップの充実ぶりはどうだろう。もちろんマイルドハイブリッドやプラグインハイブリッドモデルなどをそろえて(電気自動車<BEV>投入も明らかにされている)将来への対応もおろそかにしてはいないが、何しろディフェンダーの本領たる砂漠や密林のなかには急速充電器などないのだから内燃エンジンを早々と捨てるわけにはいかない。
日本導入当初は2リッター4気筒ガソリンターボの「110」しか選べなかったディフェンダーだが、その後3ドア・ショートホイールベース仕様の90が加わり、3リッター直6ディーゼルターボ、ロングボディーの「130」とモデルを増やし、今回の2024年モデルでは90にも待望の3リッター直列6気筒ディーゼルターボモデルが追加されただけでなく、90と110に5リッターV8スーパーチャージドエンジンを積んだモデルが国内導入された。「インジニウム」と称するジャガー・ランドローバー自慢のモジュラーエンジンシリーズのなかでも白眉(はくび)といえる3リッター6気筒ディーゼルターボ(マイルドハイブリッド)で十分以上であることは百も承知のうえでのV8である。
今どき? といぶかしく思う人もいるかもしれないが、V8搭載の武闘派ライバルがいる限り対応するのは当然だし、そもそも分割再編される前のローバーといえばV8(しかも元をたどればV8王国の米GMビュイック製だ)という時代もあった。「レンジローバー」は1970年の初代モデルから3.5リッターV8エンジンを積んでいたし、そのローバーV8ユニットはMGからTVR、モーガンに至るまで英国自動車産業を長く支えてきたのである。ランドローバーも折に触れて、V8ディフェンダーを近年では記念モデルとして発売してきた経緯がある。...