トヨタの底力
「16代目は大政奉還」としてすっかりイメージチェンジに成功した「トヨタ・クラウン」だが、従来の需要に応える後輪駆動の「セダン」もきっちりラインナップしている。水素燃料電池とハイブリッド、両方のパワートレインを乗り比べてみた。
セダンだけが後輪駆動
経済成長に伴うマイカーブームのなか、代々のクラウンには主に個人事業者のニーズを支えるバンやピックアップトラック、よりパーソナライズされた需要に応えるクーペやステーションワゴンなど、さまざまな車型が存在した。トヨタ自ら群戦略と呼ぶ現行クラウンの多彩なラインナップは、この歴史が着想点になっているという。
とあらば、従来のセダンに相当するのが「クロスオーバー」、クーペに相当するのが「スポーツ」、そしてワゴンに相当するのが「エステート」とみるのが順当だろう。そう思っていたら、ひょいっと登場したのが純然たるセダンの位置づけとなるこのモデルだ。
じゃあクロスオーバーの立場はどうなるのよ……ということになるわけだが、よくよくみればセダンは、プロポーションからして他の3モデルとは大きく異なっている。それもそのはず、用いるアーキテクチャーはFF系の「GA-K」ではなくFR系の「GA-L」、つまり先代にあたる220系クラウンをはじめ、「LS」や「ミライ」が用いるそれでつくるクラウン王道のパッケージということになるわけだ。
ただしサイズはLSとミライの間くらいと、今までのクラウンのそれとは大きく異なる。全長は5mの大台を突破、全幅は1890mmとなると、車格的にほど近いクルマとして想像してもらいやすいのは先代40系のLSだ。昭和や平成的な価値軸でいえば、クラウンに乗せられるのは霞が関なら事務次官、永田町なら副大臣といったところだが、令和の今は閣僚の方々がこぞって「アルファード/ヴェルファイア」に収まることもあって、そんなヒエラルキーなど関係なしということになるのかもしれない。...