進化する“国民車”
ホンダが誇る軽スーパーハイトワゴンの人気モデル「N-BOX」が、いよいよフルモデルチェンジ! 一見すると、従来型とさほど変わりないように見える新型だが、その中身はどんな進化を遂げているのか? 3代目となった“国民車”の実力に触れた。
絶対王者の3代目
連休初日の土曜日というのに、ホンダの栃木プルービンググラウンドに向かう。2022年の5月にも同じ場所を訪れた。「ステップワゴン」に試乗するためである。今回はN-BOX。クローズドコースなので、発売前に重要なモデルを披露するのに使われるのだ。平日は開発中のモデルをテストしているので部外者は立ち入ることができないが、この日は見られてはいけないクルマは屋内に収められている。
ミドルサイズミニバンのステップワゴンも話題となったが、N-BOXにははるかに高い注目が集まっている。2023年前半の国内販売台数でランキングトップのモデルなのだ。軽スーパーハイトワゴンと呼ばれる売れ筋のジャンルで、「ダイハツ・タント」「スズキ・スペーシア」といった強力なライバルを振り切って盤石の地位を築いている。ホンダにとっても、経営の根幹を支える存在といっていいだろう。ホンダ車の販売のうち、約40%がN-BOXなのである。
2011年にデビューしたN-BOXは、今回のフルモデルチェンジで3代目となる。「N-WGN」「N-ONE」などとともにNファミリーを形づくっているが、長男坊としてダントツの売り上げを誇る。地方のスーパーマーケットの駐車場では、N-BOXがずらりと並ぶ光景が珍しくない。絶対王者であり、このジャンルでのデファクトスタンダードともいえる存在なのだ。そのことは開発陣も意識していて、“国民車”という言葉を使って説明していた。プライドと責任感がにじみ出ている。
すでに内外装は発表されていて(参照)、先代からの変化のなさが取り沙汰されていた。実物を目の当たりにすると、確かに似ている。クルマに興味のない人なら見分けがつかないかもしれない。軽自動車の規格のなかで最大限の室内スペースを確保しようとしているのだから、変えようがないともいえるだろう。そして、N-BOXユーザーに安心して買い替えてもらうために、あえて変えないほうがいいという判断もある。...