16歳は青春ど真ん中
一時は安否すら危ぶまれた「日産GT-R」だが、見事に生存……どころか、さらなるパフォーマンス向上を果たしている。ことに最新の「NISMO」の洗練ぶりには目を見張るものがある。デビューからの16年で積み上げてきた知見の質と量はだてではない。
「GT」と「R」を別立てに
当初はストリートスペックもサーキットスペックもひとつで賄うという方針だったGT-Rに、サーキット側の選択肢ができたのは2014年のこと。折しも商品群強化の一環で、日産がNISMOをAMGやMのようにパフォーマンス志向のサブブランドとして推し始めた、そんな頃合いの話だ。
ストリートカーの難しさを知り尽くす、時のチーフプロダクトスペシャリスト(CPS)だった田村宏志さんがかねてその志向であったことはなんとなく察していた。性能面でのライバルたちが、「RS」だ「スペチアーレ」だとサーキット志向のスペシャルモデルをリリースするのは、マーケティング的な理由だけではない。持てるパフォーマンスを公道で成立させるのは不可能なまでの速さを身につけつつあったからだ。
そんななかを一枚看板で戦うには無理がある。だとすればその名に従い、GT-Rという枠の中で「GT」と「R」を別立てにするべきだろう。それは自然な発想でもある。
晴れてRの側を担うことになった最初のGT-R NISMOは、「Nアタックパッケージ」というゲタ履きはあったものの、ニュルブルクリンクを当時の量産車最速となる7分8秒台で走り抜き、その存在を再び世に知らしめた。それが今からちょうど10年前の話だ。
以降、モデルイヤーでいえば2017年と2020年にマイナーチェンジを、そして2022年にはエンジン部品の高精度なバランス取りや専用コスメティックなどが加えられた「スペシャルエディション」を追加している。ちなみに2022年型は300台余の全数のうち、スペシャルエディションが99%を占め、生産能力上の問題から4カ月で注文を停止する事態となった。...