跳ね馬は甘美に舞う
“Dolce Vita”(ドルチェヴィータ=華やかで自由気ままな生き方)を体現するフェラーリのGTモデル「ローマ」に、電動ソフトトップを備えた「スパイダー」が登場。2+2シーターの優雅なオープンスポーツは、スタイリングだけでなく走りも甘美だった。
優雅なフォルム、秀逸なソフトトップ
クーペの登場から3年と少し。2023年3月にフェラーリ・ローマのオープンモデル、ローマ スパイダーが発表された。フェラーリのFRオープンモデルとしては「デイトナ スパイダー」(365GTS/4)以来、54年ぶりとなるソフトトップを採用したことが最大のニュースだった。それでいてクーペのフォルムをほぼそのままキープした美しいクローズドスタイルに、多くのフェラーリファンが賛辞を送ったものだ。
もっとも、半世紀前のスパイダーとはまるで別次元のソフトトップである。もちろん電動式だ。センターコンソールに新たに設けられたスイッチを長押しすれば、頭上に青空が広がるまでわずかに13.5秒。トップは堅牢(けんろう)な5層構造で、吸音効果の高い素材も挟み込んでいる。そして、けっこう“ハード”だ。ナイフを突き立てようなどとは思わないくらいに硬い。Z構造の骨組みを持ち、リアスクリーンとともにすっぽり格納スペースへと収まる。ソフトとはいえ60km/hまでの車速なら走行中の開閉も可能だ。このあたりは、リトラクタブルハードトップ(RHT)に慣れた現代人には必須というべき性能なのだろう。
生地の素材も凝っている。ブラック以外の4色(レッド、マロン、グレー、ネイビー)ではカーボンファイバーのように繊維が格子状に織り込まれ、独特の光沢と立体感を醸し出している。...