教科書に載せたい
デビューからすでに16年。長いこと「ソロソロ……」とささやかれていた「日産GT-R」がめでたく一命をとりとめた。当面の課題をクリアした最新モデルの進化をひとことで表すなら「洗練」である。「プレミアムエディションT-spec」の仕上がりをリポートする。
前後のデザインを刷新
2022年のT-spec&「NISMOスペシャルエディション」投入でいよいよ命脈尽きたかにみられていたGT-Rに、まさかのおかわりがあった。主要仕向け地である米国の慣例に倣って2024年型と呼ばれるそれは、販売終了説の根拠となっていた車外騒音規制をクリアするだけでなく、外観や足まわりの変更、ホイールのペイントフィニッシュに至るまで事細かに手が及んでいる。
例によってというべきか、日本仕様の販売枠は一気に埋まってしまったようだが、軽くふた桁億には及ぶだろうマイナーチェンジへの投資に鑑みれば、日産が一度の頒布のためにここまでの労を費やすとは考えづらい。2021年のT-specとは違い、今回はまだ買える可能性があるという想定でこのT-specを紹介できそうだ。勝手な予想なのでハズレだった場合はひたすら申し訳ないけれども。
新しいGT-Rのエクステリアは、直近までのCIだった「Vモーショングリル」が廃され、同色の横はりがグリルを分割する水平が強調された顔立ちとなった。空気抵抗の低減を狙って開口部は小型化されているが、インテークガイドやグリルメッシュの角度・距離などを最適化し、前型と同等の流量を確保している。また、7ドットのデイタイムランニングライト(DRL)を擁する前側面は車体側方へときれいに走行風を送るエアガイドの役割を、その下方のカナード形状は乱流によってホイールハウス内のこもりを抜き出すような効果を果たしているという。合わせてリアバンパーまわりの形状も一新され、フロア下からの風抜けをよくしたほか、サイドエッジをより後方へと伸ばして走行風の断ち切り性能を高めた。リアフォグ形状もDRLに呼応するように7ドットへと改められている。
リアスポイラーはデビューから16年で初めて形状変更を受けて、翼部をより後方に移動、翼断面もマウント位置に合わせて最適化されるほか、翼端部もシャープな形状となっている。これらの意匠は、長いモデルライフのなかで劇的に進化したコンピューターの演算速度や空力解析能力によって発見された新たな気づきを盛り込んだもので、機能的理由のない形状変化は一切ないと開発陣は断言している。ちなみに数値的には対前型比で最大ダウンフォース量が13%、ライントレース性は12%向上しているという。そして、このエアロダイナミクスに合わせ込むかたちでGセンサーを刷新し車体挙動の検出精度を高めたうえで、ビルシュタインの「ダンプトロニック」は制御プログラムの変更を受けている。...