今が収穫期
「BMW X1」がフルモデルチェンジ。従来モデルとの最大の違いはピュアな電気自動車の「iX1」がラインナップされたことだ。エントリーSUVながら、前後車軸にそれぞれパワフルなモーターを搭載。果たしてその仕上がりは?
警鐘を鳴らす一方で
次世代パワートレインにまつわるBMWの戦略は、日本の自動車メーカーが示すそれとよく似ている。
それすなわちマルチパスウェイ。
オリバー・ツィプセ会長はコロナ禍以降、機会あるごとに内燃機廃止を伴うEUのBEV一本足戦略に異議を唱えてきた。市況の悪化や原材料調達の偏り、要素技術の対外的な依存性、仕向け地別のCO2削減率などに鑑みると、BEVへのハードランディングは自らの首を絞めることになりかねない。至って正論だと思う。
この論がより大きな意味を占めるようになってきたのが、この1年余のEU圏での急激な状況変化、具体的にはロシアのウクライナ侵攻や中国のNEV車攻勢だ。2023年の第1四半期、中国車の輸出台数は日本を抜いて世界一となった。仕向け地別台数でロシアが1位というのは理解できるが、一方で全数の3分の1を占めるNEV車の多くは需要地である欧州域になだれ込んできている。
この状況下で内燃機を捨て去る方策はエネルギーのみならず、経済的な安全という側面からみても無謀に過ぎる。先の合成燃料容認方針の表明もしかりだが、EUはここでようやく現実との折り合いにかじを切ろうとしているようにうかがえる。
と、その一方でBMWはラインナップの電動化にもご執心だ。既に日本でも5銘柄のBEVと4銘柄のプラグインハイブリッド車(PHEV)が展開されている……と書いているところに、新型「5シリーズ」のBEV版「i5」の日本導入も発表された。...