みなぎる名門の本気
モータースポーツの第一線で活躍するTOM'Sが、「トヨタGRヤリス」をベースにコンプリートカーを開発。名門が2年の歳月をかけて完成させた「TOM'S GRヤリス」は、サーキットを走り込む人にこそ薦めたい、無二のクラブスポーツに仕上がっていた。
TOM'Sの“原点回帰”が生んだ一台
TOM'Sのコンプリートカー、TOM'S GRヤリスに試乗した。そう、トヨタのセミワークスチームとしてスーパーフォーミュラや全日本F3選手権、そしてSUPER GTに参戦している、“あのTOM'S”がつくり上げたコンプリートモデルだ。
ちなみに試乗車は、「TOM’S IS300」とともに2023年の東京オートサロンに出展された車両だ。そのコンセプトは至ってシンプルであり、今一度原点に立ち返って、「TOM’Sらしさ」を表現することだったという。
TOM’SはGRヤリスがデビューした当初から、いち早くエアロパーツを中心に商品開発を進めてきたのだが、こと走りの性能を高めるチューニングパーツに関しては、その開発が難航していたのだという。つまりそれだけ、GRヤリスの完成度が高かったということになる。そして約2年の歳月を経て、コンプリートカーを完成させるに至ったのだ。
そんなTOM’S GRヤリスで目を引くのは、そうはいってもやはり、細かく手が入れられたエアロパーツだ。
バンパー下を覆うフロントディフューザーは、派手さを抑えた大人っぽい仕上がりだが、その存在感はとても高い。エンドの翼端板形状は、フロントからの整流したエアフローでタイヤハウスの乱流を引き抜くのが目的と思われ、往年の993型「ポルシェ911カレラRS」のフィニッシュを思い出させる。小ぶりなカナードのデザインに、サイドスクープ中段のフィンから連続性を持たせている点も、なかなかスタイリッシュだ。サイドにまわると、フロントの翼端板と同じ処理がホイールベースに渡されたサイドディフューザーにも施されており、イメージに統一感が持たされている。...