両雄並び立つ
着実に電動化への道を歩む北欧の雄、ボルボ。上級モデル「90」シリーズに追加された最新のプラグインハイブリッドモデルは、どんな走りを味わわせてくれるのか? 雄大な景色が広がる九州の道で「S90」と「XC90」に試乗した。
2台のフラッグシップ
福岡ボルボ試乗会の2日目は、フラッグシップ2台である。S90とXC90だ。かつてはフラッグシップといえばセダンというのが常識だったが、時代は変わった。SUVのXC90のほうが、価格でも販売台数でも上回っている。それでも、ボルボにとってS90は今も大切なモデルだ。SUVのフラッグシップ、セダンのフラッグシップとして2台を並列に置き、優劣をつけてはいない。
どちらもグレードは「リチャージ アルティメットT8 AWDプラグインハイブリッド」で、パワーユニットは同じである。最高出力317PSの強力な2リッターターボエンジンに加え、前後にモーターを配する。2023年モデルはバッテリー容量を大幅に増やしており、EV走行の距離を伸ばした。電動化に本腰を入れるボルボは、フルモデルチェンジがなくてもパワーユニットの漸進的改良を進めているのだ。
1日目は「V60」と「XC60」で本州に渡り、萩城に向かった(関連記事)。ひとまわり大きなモデルとなった今回は、南下するコースを選んだ。目指すは熊本城である。加藤清正が築き、明治には西南戦争の舞台になった。天守は焼失したものの1960年に復元され、2016年の震災にも耐えて今も堂々たる威容を誇っている。その後は阿蘇山へと回る予定だ。実は、もうひとつの目的地がある。17年前のボルボ試乗会で到達できなかった場所に向かうのだ。
往路のパートナーに選んだのはS90。久しぶりに眺めると、伸びやかな美しいフォルムに目を奪われる。ボルボの都会的洗練路線のひとつの到達点なのではないか。新世代ボルボのデザインテイストを最もわかりやすく表現しているように思える。セダンという車型は長い年月をかけて進化しており、クルマのエレガンスを見せるには一番適しているのだろう。...