極上の無難
先ごろ日本でもリリースされた「EQE」のSUVバージョン、その名も「メルセデス・ベンツEQE SUV」も、2023年内に上陸する予定だ。主力グレードになると目される「EQE350 4MATIC」を中心に、ひと足早くポルトガルでステアリングを握った。
コストのかかるBEV専用シャシー
いまのところ、BEVの作り方は主にふたつあって、ひとつは既存のモデルからコンバートするやり方、もうひとつはBEV専用のプラットフォームをこしらえるやり方である。メルセデス・ベンツはこれら両方を使って、気がつけば「EQA」「EQB」「EQC」「EQE」「EQS」「EQV」「EQT(商用バン)」「EQS SUV」それにEQE SUVとほぼすべてのモデルレンジのBEVを取りそろえるまでに至った。
このなかで、EQEとEQSとそれぞれのSUVの計4モデルは「EVA2」と呼ばれるメルセデスとしては初のBEV専用プラットフォームを共有している。EVA2を使った最初のモデルはEQSで、その時点で「このプラットフォームを共有するのは計4モデル」と公表されていたから、今回のEQE SUVで取りあえず打ち止めとなる。EVA2は最初に出てきたBEV専用プラットフォームのくせに、その名前に“2”と付いていることからも想像できるように、今後は“EVA1”やひょっとすると“EVA3”なんかも控えているかもしれない。
当然のことながら、BEV専用プラットフォームのほうが何かとコストはかかる。開発費はもちろん、対応可能な生産設備も用意する必要があるからだ。BMWもBEVを拡充しているものの、BEV専用プラットフォームを使うのは現時点で「iX」のみ。内燃機との共有のほうが開発時間も短縮できるし、とにかくいまは(あまりコストをかけずに)BEVの種類を増やそうという戦略だろう。だからメルセデスは、すでにずいぶん多額の投資をBEVに突っ込んでいることになる。「でもエンジニアリング的には専用プラットフォームのほうが何かと都合がいいですから」と胸を張る理由は、クルマを見れば納得する。...