限界ギリギリ!
ハイパワーな直6エンジンを搭載した、MTも選べるFRスポーツ。多くのクルマ好きの熱視線を浴びるであろう新型「BMW M2」の走りとはどのようなものか? 山岳路も交え、アメリカ・アリゾナの道で実力を確かめた。
日本のファンには“ちょうどいいM”
あれは今から7年前の2016年のこと。初代M2の登場は僕を含む多くのクルマ好きにとって慶事だったように覚えている。
「4シリーズ」の登場によりクーペが別名となったF80系の「M3」「M4」は既に全長が4.7m級になり、ホイールベースは2.8mオーバーと、いにしえのモデルたちを知る者にとっては、「M6」? とツッコミたくなる大きさに達していた。それでもV8を積む先代E90系からは大幅な軽量化を達成していたあたりはさすがにMだが、いかんせん車格と価格からなる印象で、なえてしまうのもまた事実だ。
そんな声が上がるのは先刻承知とばかりに登場したF87型M2は、当時の「2シリーズ」をベースに、車格的にはE46系をほうふつとさせるコンパクトな体躯(たいく)の持ち主だった。全幅は1855mmと日本の路上にはやや幅広だったものの、“エボもの”好きの心をくすぐるメリハリボディーを前に、ふらふらと“マルニターボ”やE30系の面影を重ねてしまうのも致しかたない。
搭載されるエンジンは当初、M3/M4の搭載するS55型ではなく、ベースともいえる「M240i」の流れをくむN55型だったが、それでもパワーは最高出力370PSと小さなボディーには十分なもので、それを6段MTでドライブできるという体験は、ほかでは得難いものだった。結局2018年にはS55型にスイッチし、そのパワーは限定車の「M2 CS」では450PSにまで高められたが、ベースモデルのバランスの良さをもって、ここ数年では「M760Li」と競うほどのベストBMWだったというのが個人的なM2評だ。...