ライバル不在の万能マシン
300PSオーバーの高出力エンジンとトルクベクタリング機構付きの4WDシステムを組み合わせた、新しい「フォルクスワーゲン・ゴルフR」。速さ、操作性、乗り心地と、従来型から全方位的に進化を遂げた新型は、まさに万能マシンと表すべきクルマに仕上がっていた。
フォルクスワーゲン最速の量産車
『webCG』の取材で新しいゴルフRをドライブするのは、今回で2回目だ。前回は箱根で開催されたメディア試乗会で「ヴァリアント」に乗ったが、今回は“素”のゴルフR……すなわち、ゴルフの基本形ともいえるハッチバックのRとなる。
ゴルフRの最高速度は車体形式を問わずに250km/hでリミッターが作動するそうだが、0-100km/h加速はハッチバックで4.7秒、ヴァリアントで4.9秒。つまり、今回のゴルフRはフォルクスワーゲンの量産カタログモデルでは最速というべきクルマでもある(数値はすべて欧州仕様のもの)。パワートレインのスペックはヴァリアントと共通なので、この加速性能の差はもっぱら、ヴァリアントより60kg軽い車重(これは日本仕様の数値)によるものだ。
超高性能Cセグメントステーションワゴンは今やほかにほとんど例がなく、稀有な存在といえるヴァリアントに対して、ハッチバックのゴルフRにはライバルが少なくない。たとえば“Cセグメントハッチバック、300PS以上、4WD”という条件で検索すると、現行世代といえるモデルでは「メルセデスAMG A45 S 4MATIC+」と同ブランドの「A35 4MATIC」、そして「BMW M135i xDrive」「アウディRS 3スポーツバック」「S3スポーツバック」、さらには「トヨタGRカローラ」などがヒットする。
ここにゴルフRを加えた7台のなかでは、最高出力で400PS台、最大トルクで500N・m台をうたうA45 SとRS 3が少し抜けた感があるが、320PSのゴルフRや450N・mのM135iはそれに次ぐ存在といえるだろう。しかも、ゴルフRはこのなかではもっともコンパクトなサイズで、車重もGRカローラに次いで軽い点は評価すべきである。とくにクラス最強のA45 Sに対しては、100kg以上も軽いのだ。...