職場で困っている人を見かけても、「おせっかいだったらどうしよう…」と躊躇したり、「たぶん大丈夫だろう…!」と自分に言い訳したり……。
気づかいをするときには、つい「心の壁」が現れてしまい、なかなか一歩が踏み出せないことが、あなたにもあるのではないでしょうか?
この連載では、「顧客ロイヤルティ(お客さまとの信頼関係づくり)」をベースに、ビジネスセミナーへの登壇やコミュニケーションスキルの研修講師を通して、全国200社・2万人以上のビジネスパーソンに向けて教えてきた『気づかいの壁』の著者、川原礼子さんが、「気がつくだけの人」で終わらず、「気がきく人」に変われる、とっておきのコツをご紹介します。
「詫び倒し」は疲れる
メールを書くときに、もっとも気をつかうのは、「謝罪」のときではないでしょうか。
普段は短文でテンポよく返事する人も、謝らないといけないときには、何度も読み返して推敲するはずです。
私がよく目にするのは、次のようなお詫びメールです。
「このたびは、ご迷惑をおかけし、まことに申し訳ございません。
また、週末を挟んだため、ご返信が遅れましたこともお詫び申し上げます。
お調べしたところ、ご連絡いただいた件につきましては、私どもに確認漏れがございました。たいへんご迷惑をおかけし、申し訳ございません。つきましては、たいへん申し訳ありませんが、ご返金の対応をさせていただきたく存じます。」
謝る気持ちを伝えたいあまり、4回も「謝罪の言葉」を使っています。
そのため、相手にとって「本当に知りたい情報」が埋もれてしまっているのです。
このようなメールは、読み手に大きな負担になります。
謝罪の気持ちを伝えることは大事ですが、「詫び倒し」はよくありません。
余計なお詫びをゴソッとそぎ落としましょう。
大事な情報を「謝罪」で挟む
電話と違って、相手の言葉を視覚で捉えられるのがメールの特徴です。
前文・本文・末文で構成されるメールでは、お詫びを入れるのは最初と最後だけにすることで、ちょうどいいバランスになります。
次のように、前文と末文に限定しましょう。
(前文)このたびは、ご不快な思いをおかけして、たいへん申し訳ございません。
(本文)ご迷惑をおかけした経緯をご報告いたします。
(原因、対応策、再発防止策…)
(末文)ご報告は以上です。
ご期待にお応えできず、まことに申し訳ございませんでした。
たった2回では物足りない気がするかもしれません。
しかし、相手が本当に読みたいことは、「事実の確認」です。
それならば、問題解決のための情報を伝えることも、謝ることと同じくらい大事なはずです。
そのための情報を前後の謝罪で挟むと、誠実な態度が伝わります。
先ほどのやりすぎのお詫びメールは、自分が気持ちよくなるために謝っているような印象があります。
「こんなに申し訳なく思っているんです」ということを伝えすぎると、逆に相手に気をつかわせてしまいます。つまり、相手に壁を作り出してしまうのです。
謝罪の気持ちが先に立ってしまうときこそ、謝る気持ちは最初と最後だけに限定しましょう。