筋金入りのアイドル
新型「ルノー・カングー」が日本上陸。モダンになったデザインや刷新されたプラットフォーム、ガソリンとディーゼルの2本立てとなるパワーユニットなど注目のポイントは多く、その仕上がりは16年分の進化を感じさせるものだった。
日本のカングーは特別仕立て
ルノー・カングーはクルマ業界のアイドルだ。2002年に初代カングーが発表されて以来、累計で3万台以上が日本にやって来ているし、2022年秋に山中湖で開かれたファンミーティング「ルノー カングージャンボリー2022」には、日本全国から1783台ものカングーが集まったという。カングー、愛されています。専門家からのウケもよく、ジャーナリストや自動車専門メディアの編集者でカングーを悪く言う人に会ったことがない。
という人気者であるだけに、新型となる3代目カングーがどんなふうに変わるのか、興味津々だった。ちなみに2代目が登場したのが2007年。ここ数年でCASEとかMaaS(Mobility as a Service)という言葉が飛び交うようになったけれど、進化のスピードが速いいまの世のなかで、16年というのは決して短いスパンではない。果たして、新型カングーはアイドルの座を維持できるのか。
まず気になるのはルックスだ。写真で見る限り新型カングーは、チャーミングポイントだったノホホンとした印象が失われていたからだ。
初めて対面する実車はたしかにキリリとした顔になっていたけれど、四角いのにどこか丸みを感じさせる、カングーらしさはしっかりと残っている。やっぱり、写真で見るのと実際に立体で見るのとでは印象が違う。見慣れて、時間の経過とともに従来型カングーの残像が薄れると、新型もカングーらしいスタイルだと思えるようになると予想する。
特にブラックバンパー仕様の「クレアティフ」は、働くクルマっぽさが強調される。参考までに、乗用車のカングーでブラックバンパーを備えるのは日本仕様だけで、ヨーロッパでのブラックバンパー車はすべてLCV(ライト・コマーシャル・ヴィークル)とのこと。それだけ、日本市場を重視しているということだろう。
サイズにふれると、1810mmの全高はそのままに、全体に拡大している。ホイールベースはプラス15mmの2715mm、全長はプラス210mmの4490mm、全幅はプラス30mmの1860mmと立派になったけれど、それでも「トヨタ・ノア」あたりよりは、ひと回り以上コンパクトだ。基本骨格は、ルノー・日産・三菱のアライアンスが開発した「CMF-C/Dプラットフォーム」となる。...