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輸入車チョイ乗りリポート 第2回:ビールとエンジン車はドイツに限る


エンジンにほれる

旬の輸入車が一堂に会するJAIA輸入車試乗会でwebCG櫻井が選んだのはメルセデスAMGとポルシェ、BMWアルピナ、そしてコンパクトなBMWという4台。いずれも特徴的なエンジンを搭載するドイツ車だ。EVでは味わえないその個性的な走りを報告する。

スポーツという芯が太くなった メルセデスAMG SL43

初めてまともに「メルセデス・ベンツSL」のステアリングを握ったのは、電動ソフトトップを採用した4代目のR129型(1989年)だった。取材場所もしっかり覚えている。ソフトトップの開け閉めが完全に自動化されたその機構は実に画期的で未来的だった。ただし走りはというと、たしかに5リッターV8モデルは速くスポーティーな雰囲気も十分だったが、オープンカーということもあって、ボディーのしっかり感がイマイチ。もちろん、当時の他ブランドがリリースしたオープンカーに比べれば10倍はしっかりしていた。しかし、路面コンディションに左右される乗り心地や揺すられ感は、いかにメルセデスといえども、やはり緩めでオープンカー的だったのだ。

その後に、ドイツで新旧SLを取材する機会に恵まれたこともあって、現行モデルまでひと通り試乗経験を得ることができた。レーシングマシンに由来する歴史を肌で感じ、どの世代のSLであってもぶれることなくひと目でメルセデス、ひと目でSLだと分かるフォルムは納得のカッコよさである。ただ、その後「AMG GT」が登場したこともあって、ルックスは魅力的だけど走りで選ぶならAMG GTでは? という気持ちも正直あった。

最新モデルは2022年10月に上陸した7代目である。5代目、6代目と続いたバリオルーフ(電動格納式ハードトップ)はソフトトップに回帰。ハイパフォーマンスカーを展開する、メルセデスのサブブランドであるAMG名義となったこと、そしてフロントミドに搭載されるパワーユニットがダウンサイジング極まるM139型2リッター直4ターボであることも、R232と呼ばれる最新モデルの特徴だ。

M139には「エレクトリックエキゾーストガスターボチャージャー」と名づけられた電動ターボが組み込まれ、最高出力381PS、最大トルク480N・mを発生する。もちろんAMGのルールに則り、1基ずつAMGの熟練工が手組みで仕上げる珠玉のパワーユニットだ。パワーが永遠に湧き続けるようなV8とは異なり、レスポンス良くシャープに吹け上がるのが、M139の白眉(はくび)である。その回転フィールは、マスの小さな2+2オープンモデルにとてもマッチしている。ボディーやシャシーは洗練の極みで、うねりの続くようなワインディングロードを攻め込んでもミシリともいわない。それは、完成度の高いいかにもドイツっぽい緻密な機械を連想させる。

AMGブランド車になったことで、スポーツという芯が太くなったことは自明。最新のSLにはどこか、職人が鍛え上げた日本刀のような切れ味と美しさに重なるところがある。オープンカーのきらびやかな雰囲気は大切羽や柄に施された装飾にも通じるが、それはひとつの要素でしかない。いい日本刀は、刀身こそが核心。鈍く放たれる光を眺めるだけでほれぼれする。武器となる刀に例えるのは不謹慎かもしれないが、しかしアーティファクトとしてみるならば、新型SLは見た目も切れ味も、そして存在感も申し分ない。それは「懐宝剣尺」に載ってもいいほどの業物ということである。

【スペック】 ボディーサイズ:全長×全幅×全高=4700×1915×1370mm/ホイールベース:2700mm/車重:1780kg/駆動方式:FR/エンジン:2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(最高出力:381PS/6750rpm、最大トルク:480N・m/3250-5000rpm)/モーター:交流同期電動機(最高出力:13.6PS、最大トルク:58N・m)/トランスミッション:9段AT/燃費:10.8km/リッター(WLTPモード)/価格:1648万円...

提供元:webCG

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