進取の精神あり
「マセラティ・グレカーレ」がいよいよ日本の道を走り始めた。今回の試乗車「GT」は位置づけとしてはエントリーグレードだが、まさに「グランドツアラー」の名にふさわしい走りが味わえる。官能性とともに最新技術も手にしたマセラティである。
中身はけっこう挑戦的
奇をてらわないというよりも、むしろちょっと地味めなスタイルのボディーのドアハンドルは電磁式。室内側も丸いボタンを押して開けるタイプ(ただし非常用のメカニカルレバーも目立たないように備わっている)で、ダッシュボードの物理スイッチも大胆に省略されている。イタリア人は新しもの好きである。いっぽうで、シートやダッシュのレザーの触感はうっとりするようなものでステッチワークも見事だ。こういう部分はやはりマセラティだと安心する。「レヴァンテ」に続くマセラティのSUV第2弾がグレカーレだが、クラシックなエレガンスを演出しているだけではなく、現代を生き抜くための新しい試みが満載である。
アルファ・ロメオの「ジュリア」「ステルヴィオ」などと同じ「ジョルジオプラットフォーム」を基本とするミドルクラスSUVのグレカーレだが、コロリとしたボディーの全長は4.9mに近く、全幅は1.95mでホイールベースも2.9mと日本では立派なラージサイズである。フロントではなくリアから見たほうがボディーのボリュームが分かりやすい造形だ。2022年5月に日本でも受注が始まっていたものだが、日本仕様は2リッター4気筒ターボ+マイルドハイブリッドのGTと、同じく「モデナ」、そして3リッターV6ツインターボの「トロフェオ」という3本立て。すべて後輪駆動ベースのAWDで8段ATである。このあと間もなく電気自動車の「フォルゴーレ」も追加されることになっているが、今回はまずエントリーグレードたるGTを紹介する。...