優雅にも 豪快にも
ロイヤルエンフィールドが満を持してリリースした新型クルーザー「スーパーメテオ650」。英国生まれ・インド育ちの老舗が放つ“ダイナミッククルーザー”は、どんな走りを秘めているのか。インド・ラージャスターンで行われた国際試乗会より、その実力を報告する。
力強くスムーズな空冷2気筒の加速感
「EICMA 2022」の会場で、ロイヤルエンフィールドの車両開発の責任者であるサイモン・ワーバートン氏と、デザインを含めた車体設計の責任者であるマーク・ウェルズ氏に、発表されたばかりのスーパーメテオ650について話を聞いたとき、彼らはそれを“ダイナミッククルーザー"と表現していた。そして今回、ジャイサルメールからキムサールへ向けた約350kmの試乗をスタートさせたとき、すぐにその意味を理解することができた。
まずはエンジンだ。スーパーメテオ650は、2018年に市場投入された「コンチネンタルGT650」や「INT650」にも用いられる、排気量648ccの空冷4ストローク並列2気筒SOHC 4バルブ(1気筒あたり)を搭載している。しかしそのフィーリングは、セパレートハンドル/バーハンドルを装備した、それらヨーロピアンスタイルのマシンとはまるで違う。低回転域でのフラットで扱いやすいトルクが高回転まで続く特性はそのままに、より低回転域からひとまわり、いやふたまわりは力強くなった印象で、わずかなアクセル開度でも、車体をどんどん前に押し出していく。しかもその加速感は、VツインやLツインのそれ……三段跳びの選手が飛び跳ねるような、シリンダー内の爆発と連動した大股な加速感とは違い、スルスルと滑らかに、でも力強く車速を乗せていく不思議な感覚なのだ。
このトルクフルなエンジン特性は、シフトアップして高いギアを使って走っているときも変わらず、速度域の低い市街地でも3〜4速を使って走れるほど。インドの街なかでは、時折減速を促すために道路を横断するスピードバンプ(アスファルトのこぶのようなもの)が出現するのだが、それを越えたあとの再加速でシフトダウンをサボっても、クルマや他のバイクの流れをリードすることもできる。...