すごい! スゴイ! スゴ〜イ!
どこかの社長も「ワオ!」と声を上げるに違いないが、見た目のすごさは「BMW i7」の魅力のごく一部にすぎない。画期的な新装備群に加えて、圧倒的なまでの走行性能と快適性は、既存のクルマとは別次元というほかない。電気の力は恐ろしい。
「7シリーズ」のトップモデル
昨2022年、ドイツ高級車2強=メルセデスとBMWの新型フラッグシップがそろって登場した。メルセデスが「EQS」、BMWがこのi7を含む「7シリーズ」である。
「2030年までに全車を純粋なバッテリー電気自動車(BEV)にする」と宣言しているメルセデスは、欧州でもいちばん急進的なBEV戦略を標榜するメーカーのひとつだ。対するBMWもBEVに積極的ではあるが、将来の見通しは「2030年までに販売車の少なくとも5割を実質ゼロエミッション化」と、欧州の高級車メーカーとしてはソフトランディング派である。しかも、同社のオリバー・ツィプセCEOは非公開の場ながら「内燃機関の早期終了は好ましくないし、おそらく環境にも良くない」と発言したとも伝えられる。
両社のBEVへの対照的な態度が、こうして最新フラッグシップサルーンの姿カタチにも象徴されているわけだ。どちらもほぼ同時期の発売ながら、それを最初からBEV専用車として開発したメルセデスに対して、BMWはあくまで内燃機関モデルを含む7シリーズのひとつとして、BEV=i7を提供する。ちなみに、メルセデスは7シリーズの直接競合車である「Sクラス」も2020年(日本発売は2021年)に刷新したばかりで、現在もEQSと併売される。メルセデスのBEV戦略が予定どおりなら、現行型が最後のSクラスとなる可能性もある。
新型7シリーズではV12が廃止されて、このi7とV8ツインターボのマイルドハイブリッド「760i xDrive」が、ひとまず双璧のトップモデル的な存在になるようである。ただし、後者は日本に導入されず、このi7が新型7シリーズのなかでも日本市場での真のフラッグシップというあつかいだ。つまりBMWも頂点はBEVとなる。...