スキが見えない
BMWブランド初の前輪駆動車として登場し、スマッシュヒットを飛ばした「2シリーズ アクティブツアラー」。フルモデルチェンジしたディーゼルエンジン搭載の「218d」を郊外に連れ出し、進化したコンパクトハッチの仕上がりを確かめた。
成功したモデルの正常進化
いまのクルマ業界は猫も杓子(しゃくし)もSUVにクロスオーバーである。少し昔にヨーロッパでも隆盛を誇ったハイトワゴンも、その波にのまれて風前のともしびかと思いきや、BMWは2シリーズ アクティブツアラーを2代目へと刷新した。機能的にはSUVの「X1」や「X2」が代用になりそうだし、そっちのほうがよりBMWらしいと思いきや、そんなのはクルマオタクの勝手な思い込みだった。
2014年にデビューした初代アクティブツアラーは約8年のライフで世界累計約43万台を売り上げたという。年間だと平均5万台強。バカ売れとはいえないが、北米や中国といった巨大市場で販売しない商品としては悪くない数値である。しかも、その顧客の8割がBMWを初めて購入……という事実はそれ以上に大きい存在価値がある。いっぽうで、それを3列シート化したコンパクトミニバンの「グランツアラー」は初代かぎりで姿を消した。日本で販売されないのではなく、存在自体がない。コンパクトミニバンは世界的に縮小しつつあるジャンルらしい。
というわけで、新型アクティブツアラーは成功作だった初代の正常進化といえるもので、基本アーキテクチャーも初代のそれから進化した「FAAR」プラットフォームを使う。細かくいうと、初代アクティブツアラーで初めて世に出たのが「UKL2」プラットフォームで、FAARはそのUKL2をベースにPHEVなどの電動化に対応したタイプである。
UKL2/FAARはBMWとMINIが共有する横置きFFレイアウトのプラットフォーム。MINIでは「クロスオーバー」や「クラブマン」といったラージ系商品に使われており、BMWでは今回のアクティブツアラーを筆頭に、先述のX1とX2、さらには「1シリーズ」に「2シリーズ グランクーペ」と、つまりは現役FF系モデルすべての土台となっている。...