あくまで実直
「フォルクスワーゲンID.4」でロングドライブへ。上位モデルでは561kmの一充電走行距離がうたわれているが、果たして実際のところはどうなのか!? 紅葉を求めて栃木の霧降高原を目指した。
2017年の打ち上げ花火
「現時点ではe-ゴルフをいいゴルフと言い切ってしまうことにはためらいを覚える。この後何年か、あるいは十何年か後には、名実ともにe-ゴルフが最もいいゴルフになるのかもしれない」
これは、2017年11月に公開した「e-ゴルフ」の試乗記の一節である。フォルクスワーゲンが日本で初めて世に問うた電気自動車がe-ゴルフ。その名のとおり、「ゴルフ」をベースにして電動パワートレインを搭載したモデルだ。当時は内燃機関車の終了が近いという主張がさかんに行われていて、各自動車メーカーが急いでEVを市場に投入していた。フォルクスワーゲンはEV専用プラットフォーム「MEB」をベースにした次世代EVを2020年に発売すると発表していたが、取りあえず有り物を使って電動化戦略の第一歩を踏み出したのだ。
まだEVとしての完成度は高いとはいえず、担当者もe-ゴルフがアーリーアダプター向けの商品であることを認めていた。「フォルクスワーゲンの電動化戦略の第一歩として重要なモデル」という位置づけで、通常のゴルフに取って代わることは想定されていなかったのだ。フォルクスワーゲンは2018年にMEBを発表し、2021年に「ID.3」を発売する。その後も着々とMEBを用いた「ID.」シリーズラインナップを広げていて、日本ではこのID.4が初めて導入されることとなった。
まだEVが珍しかった5年前とは違い、現在では国産車でも輸入車でも豊富な選択肢がある。e-ゴルフは打ち上げ花火的な存在だったが、ID.シリーズはフォルクスワーゲンの本気が詰まったグローバルモデルである。なかでもID.4は売れ筋のミドルサイズクロスオーバーSUVであり、気合を入れた主力商品のはずだ。すでにヨーロッパと北米、中国で販売されており、順調に売れ行きを伸ばしている。...