進化は静かに大胆に
フルモデルチェンジした日産のMクラスミニバン「セレナ」のプロトタイプに試乗。個性的な顔つきや「e-POWER」専用となる新開発エンジンの採用、進化した運転支援システムなどトピックが盛りだくさんの6代目モデルは、どのように仕上がっていたのか。
気合の入ったフルモデルチェンジ
内外ほとんどすべてのメーカーから次々と新型車が発売され、世界中で市民権を得たと紹介しても過言ではないのがSUVと呼ばれるモデルだ。大径シューズを履いた高床式の構造となれば、それは床下に大量の駆動用バッテリーをレイアウトしたいピュアEVとのマッチングも抜群。まさに時代の要請にも合致したと考えられる形態である。加えてデザインの自由度が高く利幅も大きいとなれば、メーカー側もますます力を入れたくなるのは当然の成り行きだろう。
かくして、わが世の春を謳歌(おうか)しているように思えるSUVに対して、主たるマーケットは日本に限られ、キャビン空間の大きさこそが重要でフロア位置もできるだけ下げたい……といった要求に迫られるミニバンは、見方によっては前出のSUVとは正反対と受け取れるしがらみもつきまとう。それでも「日本でのコアモデルであり、販売・ブランドの両面から自らの事業を支えている」と訴えるのが日産だ。
なかでもミニバン内のシェアのおよそ50%を占めるのがMクラスとセグメントされるモデルで、さらにそこで常にトップの座を争い続けるのがセレナである。実際、このモデルは日産車の国内販売構成比のおよそ15%をコンスタントに占める実績を記録しているというから、モデルチェンジに際して気合の入った開発が行われるのも当然だろう。
ということで、ガソリンモデルが今冬から、e-POWER車は来春から販売開始と発表されたのが新型セレナである。そのルーツは1991年に発売されたフロントシート下にエンジンを搭載するいわゆるキャブオーバー型レイアウトを採用する「バネットセレナ」にまでさかのぼる。パワーパックはCVTと組み合わせた2リッター直4ガソリンエンジンと、e-POWERを呼称するシリーズ式ハイブリッドシステムの改良型という2タイプの存在が明らかにされたが、ふたを開ければ恐らく主役となりそうなのがe-POWER搭載のモデル。今回はそのプロトタイプをクローズドコースでチョイ乗りした。...