硬派変わらず
話題は後発の新型「フェアレディZ」に持っていかれ気味だが、同じ2シータースポーツということなら「トヨタ・スープラ」もまだまだ元気だ。シャシーのチューニングでハンドリング性能と乗り心地の改善を図ったという、最新モデルの仕上がりを試す。
6MTではなかった
今年の春にマイナーチェンジを受けたスープラの目玉は、何よりも6気筒エンジン搭載の「RZ」だけに追加された6MTモデルである。その注目モデルにようやく乗れるのか、と勢い込んだら、そちらはまだ用意がないのだという。なーんだ、ということで今回の試乗は8AT仕様である。
ご存じのとおり、スープラはいわば兄弟車の「BMW Z4」と一緒にオーストリア・グラーツのマグナ・シュタイヤーの工場で生産されている。そこからトヨタの元町工場に運ばれて再びチェックを受けた後に出荷されるという、普通に考えても大変手間のかかる手順でディーラーに届けられるのだから時間がかかって当たり前ともいえる。
そもそもヨーロッパ車は夏休みを挟んでモデルイヤーが変わるのが一般的で、スープラもそのスケジュールでつくられていると推測する。そのうえ当節は生産流通のサプライチェーンに問題がないクルマを見つけるほうが難しい。さらに近ごろは発売前からいわゆるローンチエディションだ、限定車だと盛り上げるのが流行しており、だいぶたってから、ところであのクルマどうしたっけ? となりがちだ。
思えば昭和のころはもっとずっとシンプルだった。トヨタの人気車種ともなれば都心のホテルの大宴会場で大々的に、しかもいっぺんでは招待客をさばき切れないため、数度に分けて発表会が開催され、その当日には全国のディーラーの店頭に一斉に新型車が展示されていたものである。
そんな時代でないことは百も承知ながら、近ごろはどうも前宣伝だけ華々しくて、実際の新車がなかなかカスタマーの手に渡らないという状況が常態化しているように見えて、なんだかスッキリしないのである。...