長く付き合える相棒
日産伝統のスポーツカー「フェアレディZ」が、およそ13年半ぶりにモデルチェンジ。従来型より多くのものを受け継いだ新型は、どこが進化し、どのような美点を継承したのか。実車に触れて感じた、「速すぎない、新しすぎない」スポーツカーの魅力を報告する。
新しいのか? 古いのか?
新型Zの計器盤はデジタルに変わった。エンジンをかけなければ、何も出ていないブラックパネルである。エンジン始動/停止はプッシュボタンだ。ATセレクターは変速レバーもレンジのアドレスも持たない。ごく小さなストロークでスライドする電子スイッチである。おそらく「日産アリア」のドライブセレクターと基本は同じ部品と思われる。
その一方、センターコンソールの左脇に屹立(きつりつ)するのは、ギリギリっとやる昔ながらの機械式サイドブレーキである。試乗車は最上級モデルの「バージョンST」。しかしシートの電動スイッチが見当たらない。右ももの下にはダイヤル式の座面調整がある。エッ、まさか手動!? と、シート下に手を突っ込んだら、何かの電線に手が触れた。
シートスライドとリクラインの電動スイッチはシート座面の左側に発見された。調べたらこれは先代「Z34」型以来だった。リング状のドアレバーも同じだ。内装の基本レイアウトも変わっていない。
「マツダ・ロードスター」でも「ポルシェ911」でも、歴代モデルを特定するのに、通の人は「NA」とか「NB」とか、「992」とか「964」とか、それぞれの型式名で呼ぶ。新型Zのそれは「Z35」ではなく、「RZ34」。アタマの“R”は“リファイン”の略だという。つまりZ34“改”。プラットホーム(車台)をキャリーオーバーするビッグマイナーチェンジ案件としてそもそも開発されたのが今度のZである。
とはいえ、13年半ぶりのモデルチェンジだから、外形デザインとパワートレインは新調されている。果たして新しいのか古いのか、ちょっとワケありの新型Zに乗ってみた。...