足りなければ足せばいい
国産ミニバンの当たり年となった2022年に、トヨタ勢に続いてフルモデルチェンジを果たした「ホンダ・ステップワゴン」。迫力で競い合う土俵から降りたデザインにも注目だが、走らせた印象はどうか。ハイブリッド車の仕上がりをリポートする。
モテ期を迎えたホンダデザイン
2022年1月にフルモデルチェンジしたトヨタの「ノア/ヴォクシー」は、いろんな意味でちょっと想定外のクルマだった。
刷新されたハイブリッドシステムは、抵抗の塊のような大箱をして20km/リッターをうかがう低燃費をひねり出しつつ、TNGAの採用もあって乗り心地やハンドリングといった動的な質感も著しく向上している。webCGの試乗記で自分なりには大賛辞を送ったわけだが、一方でちょっと心配していたのが、昨年末からノア/ヴォクシーの機先を制するようにティーザーを繰り広げていたステップワゴンの出来栄えである。
いちクルマ好きとしてどちらが推しかといえば、それはもうステップワゴンに、より具体的には「エアー」に決まっている。それはひとえにノア/ヴォクシー、より具体的にはヴォクシーの真逆を張ったプレーンなデザインに激しく賛同の意を込めての話だ。
もううんざりするほどこねくり回されてギラギラに飾り立てられてきたミニバンのあり方に、やっと一矢報いるタマが飛んできた。しかもそれが、率先して謎デザインを施し続けてきたホンダから投げられたわけだ。
この間、乗って萌(も)えても見て萎える、そんな残念なホンダ車にどれだけ触れてきたことか。それの最たるものでもあった「シビック タイプR」も、乗らずとも見ただけで萌えるクルマへと見事に変貌を遂げてくれた。以上、まったくもってオッさんの戯言(たわごと)ながら、ホンダ車のデザインは21世紀以降で初めてのモテ期を迎えているように思う。...