神は脚部に宿る
マイナーチェンジ版「アルピーヌA110」には新グレード「GT」が設定されている。全長4200mm余りのミドシップスポーツで? と思われるかもしれないが、積めるかどうかは別として、その乗り味はまぎれもなくGTだ。それでいながらコーナリングも楽しめる万能な一台に仕上がっている。
最後のエンジン付きアルピーヌ?
2024年以降はパワートレインの電動化を推し進め、SUVとハッチバック、そしてスポーツカーと3タイプの車型で電気自動車(BEV)をそろえることを公言しているアルピーヌ。背景にあるロータスとのパートナーシップや、「ルノー5」の後継的デザインが与えられたコンセプトカーの存在など、その伏線は既に敷かれている。
もっとも、直近のルカ・デメオCEOの発言を聞いていると、ちょっと揺り戻しもあるのかもと勘ぐってしまいそうだ。が、現状はともあれアルピーヌはブランドの独立性強化とプレミアム化を支えるべく、BEVシフトを急速に進めていることは間違いない。
とあらばこの世代のA110が、アルピーヌブランドとしてリリースされる純然たる内燃機を搭載した最後のスポーツカーとなるのだろうか。それは残念というよりももったいないと思うのは、A110が強靱(きょうじん)でありながらしなやかさも併せ持ち、かつ劇的に軽いという今どき稀有(けう)なスペックの持ち主だからだ。モーターとバッテリーの組み合わせになればそこに低重心も加わる一方で確実に重くなり、それに合わせてシャシーも補剛されるとなれば、この絶妙なバランスもそのまんまというわけにはいかないだろう。
実はアルピーヌはつい先日、そんなプロトタイプ「A110 E-ternite」を発表している。A110登場60周年を記念して……という一面もあるが、先述のような近い将来に向けたプロポーザルという側面も強いはずだ。ちなみにA110 E-terniteは、A110比で258kgの重量増になるという。それでも「ケイマン」くらいの車重といえば立派なものだが、やはり動的資質は別物と考えられる。...