オシャレなだけが取りえじゃない
オシャレで遊び心に満ちた軽乗用車「スズキ・アルトラパン」に、一風変わったデザインの「アルトラパンLC」が登場。懐かしくもあり、モダンにも感じられる“新種のウサギ”は、どんなオーナーにお似合いか? ユニークなニューフェイスの魅力に触れた。
いろんなクルマを思い出す
資料のどこを探してもそうは書いていないけれど、スズキ・アルトラパンのフロントマスクのモチーフは、1961年に発表された初代「スズライト キャリイFB」ではないかとニラんでいる。マイナーチェンジとともに追加されたアルトラパンLCは、広報資料に「どこか懐かしさを感じるデザインとしました」とあるとおり、ラパンと同様、少しレトロな雰囲気が特徴だ。で、こっちは1967年に発表された「スズライト フロンテLC」にインスピレーションを得ているのではないかと想像する。言ってみれば“浜松のチンクエチェント”で、自社の資産の有効活用だ。
派生モデルとして新たにラインナップに加わったアルトラパンLCに触れる前に、簡単にスズキ・アルトラパンのマイナーチェンジの概要を説明しておきたい。一番の変更点は、夜間の歩行者も検知する「デュアルカメラブレーキサポート」が全グレードに標準装備されたこと。もうひとつ、USB電源ソケットのType-AとType-Cを両方とも全車標準装備としたことも、細かいところではあるけれど使い勝手を考えると見逃せない変更点だ。こうした改良は、当然アルトラパンLCにも適用されている。
そんなこんなで、アルトラパンLCと初対面。意外やファンシーなデザインだという印象を受けなかったのは、冒頭に記したように、スズキという自動車メーカーの歴史を踏まえた形だと感じたからだろう。
一方、インテリアはオフホワイトの樹脂の使い方やメーターパネルの造形などに「フィアット500」の影響が感じられ……、というか、一部に丸パクリの部分があって思わず苦笑してしまう。フィアット500との違いは、引き出しにティッシュの箱がすっぽり入る助手席側のインパネボックスとか、スマホがぴたりと収まるシフトセレクター下のトレイとか、各種小物を収納するのに便利そうなフロントアームレストの収納とか、至れり尽くせりの収納スペースが用意されている点。カジュアルで明るいイタリアデザインのよいところを切り取って、箱庭的なモノづくりと組み合わせるあたり、和魂洋才のインテリアだ。丸パクリと書いたけれど、音楽業界だったらサンプリングと呼ぶのかもしれない。...