プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。
営業が成立する「絶対条件」とは?
営業は「自己開示」から始まる――。
僕は、そう考えています。
お目にかかるお客様のほとんどは、「保険に入ろう」とは思っていません。にもかかわらず、「保険」の話をいくらしても心に響くことはありません。それよりも、「僕という人間」に興味や共感をもっていただくことのほうが大切で、そうなれば、僕の話も「聞いてやろうか」という気持ちになってくださるのです。
そのためには、まず、営業マンが、「僕はこういう人間です」「こんな想いで営業をしています」といったことを包み隠さず開示しなければなりません。それに興味や共感をもっていただければ、お客様も僕に対して心を開いて、自らの「人生」や「想い」について語り始めてくれるものなのです。
これは、営業を成立させるためには非常に重要なポイントです。
なぜなら、そうなったときに初めて、営業マンとお客様が「Weの関係」になることが可能になるからです。
営業がうまくいかないのは、営業マンは「私は売る人」でお客様は「私は買う人」という立場で固定しているからです。しかし、お互いの「人生」や「想い」を交換できるようになると、ともに不確実な人生を生きる「同志」としての感情を共有できるようになります。多少なりとも、そのような関係性になれたときに、はじめて「営業」というものが成立するのだと思うのです。
もちろん、所詮は「営業」でもあります。
本当に、「人生の同志」になるのは長年の付き合いのある友人とだって簡単なことではありません。そんなに難しいことを、たかだか数回、営業でお目にかかるだけでできるはずがありません。
だけど、僕は、この営業での出会いをきっかけに、目の前のお客様と長くお付き合いできるようになって、いつか「人生の同志」と心底思えるような関係性を築きたいと思っていました(実際、その後、実に多くのお客様と「人間」として長いお付き合いをさせていただいています)。...