雑誌「TIME」による「世界で最も影響力がある100人」に、片づけコンサルタント「こんまり」こと近藤麻理恵さんが選ばれたのは2015年のこと。その前から、彼女のマネジメントを担当し、「こんまりメソッド」の世界展開をプロデュースしたパートナー、川原卓巳さんの初著書が発売された。タイトルは『Be Yourself』。本書は、麻理恵さんと川原さんがどのように「こんまり」をプロデュースしてきたのかを振り返り、誰もが応用できる再現性のあるメソッドにした「セルフプロデュースの教科書」だ。
変わりたくても変われない人、ストレスフルな人間関係にうんざりしている人、今の環境に全く満足できない人……。どんな悩みを持つ人も、「自分の中にある才能を引き出せば、ありのままの姿で輝き出す」ことができると確信を持って伝える川原さん。その理由について、率直な疑問をぶつけてみた。全4回インタビューの3回目は、今の仕事に不満があっても現状維持に留まっている人、やりたいことがない人のセルフプロデュース法について話を聞いた。(取材・構成/樺山美夏、撮影/Ogata)
日本人は「自分を幸せにする」能力が低すぎる
――「つまらない仕事を辞めたい」「余計なストレスから解放されたい」と思っていても、経済的理由などから現状維持に留まっている人は多いです。そういう人も、本来の自分に近づくことはできるでしょうか。
川原卓巳(以下、川原):アメリカに移住して分かったのは、日本人は「自分を幸せにする」能力が低すぎるということです。目の前にある幸せをしっかりと味わうことをしないで、ないものねだりをして不満を抱えている人、多くないですか?
たとえば、朝きちんと起きられたとか、毎日のご飯がおいしいとか、子どもが元気であるとか。もちろん仕事があることも、健康でいられることも、実はものすごくありがたいことですよね。
便利な生活家電も、コンビニのお弁当も、スマホもパソコンも、過去の人たちが生活を豊かにするために開発して、産業を発展させてきてくれたおかげで、僕たちは簡単に手に入る。何でもある生活に慣れて感謝する気持ちを忘れてしまっている人は、「ありがたい」と思う能力を高めたほうがいいです。
これは特別に難しいことではありませんし、今からでもすぐにできること。現状を変えられなければ、変えられない中にある幸せを、まずはしっかりと味わうところから始めてみてほしいですね。
――「現状を変えたくても変えられない」という言葉と同じくらいよく耳にするのが、「やりたいことがない」という悩みです。これについてはいかがでしょうか?
川原:やりたいことがない人は、「やりたくないこと」のリストをつくることをオススメしています。始めるまでに気が進まないことや、やってもつまらないこと、やったら疲れることなどです。そうすると、「やりたくないことって結構たくさんあるんだなぁ」と気がつくはずです。
たとえば、満員電車には乗りたくない、スーツは着たくない、上司や部下との人間関係が面倒、伝票整理が苦手……。いろいろ出てくると思います。もちろん、すべてをいっぺんに手放すことはできないかもしれない。けれど、満員電車に乗らず朝早くに通勤する方法や、スーツじゃなくても通用するビジネスファッションを考えればいい。やりたくないことが1つでも2つでも減れば、そのぶん本来の自分に近づいていきます。
人間関係も同じで、一緒にいて「好き」「楽しい」と思えない人は自分のためになりません。自分を傷つけたり、嫌な思いをさせるような人がいるなら、思い切って距離を置いたり、連絡を取り合わないようにしたほうがいいぐらいです。...