そのミニバン アウトバーン育ち
内外装デザインのアップデートとともに、安全装備の充実が図られたメルセデス・ベンツのミニバン「V220d」。快適性と高級感を向上させたという2列目セパレートシート「エクスクルーシブパッケージ」採用モデルに試乗し、その仕上がりを確かめた。
元祖“大きいミニバン”
今でこそ、トヨタから「グランエース」という直接的なライバルと解釈できるモデルが現れてはいるものの、長年にわたり「大きいミニバン」ともいえるカテゴリーの王者として君臨してきたのが「Vクラス」だ。メルセデス・ベンツの乗用車ラインナップでは、唯一スライド式ドアが採用されたモデルでもある。
歴史をさかのぼれば、駆動輪が前になったり後ろになったり、はたまた「ビアノ」なるまったく異なるネーミングへと改名された後に再びオリジナルであるVクラスの名称へと戻されたりと、少々不可思議な過去を持つ同車。1990年代に発表された初代モデルにしてすでに1.9m級の全幅と全高を有していたのだから、“大きいミニバン”なるちょっと形容矛盾的な表現もあながち不相応とはいえない。
実際、2014年に発表された現行モデルでも、その全長は“最短仕様”ですでに4.9mをオーバーしていた。さらにそれを25cmほど延ばした中間バージョンと5.4mに迫る最長バージョンもラインナップ。その結果、キャビンのボリュームにさまざまな選択肢が用意されるのは、そもそもこのモデルが商用車で用いられた骨格を基に生まれたものであるからだ。
ちなみに「ロング」と称される中間サイズに位置するVクラスと、全長×全幅×全高=5300×1970×1990mmというボディーサイズに、3210mmというホイールベースが採用された前出のグランエースとを比べた場合、Vクラス ロングは全長で150mm短く全幅で40mm狭く、高さは60mm低い。この場合ホイールベースはわずかに10mm短いだけだが、比べるモデルをVクラスで最大となる「エクストラロング」に変更した場合、今度はVクラスのほうがホイールベースは220mm長くなり、全長も70mm上回るという関係になる。...