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愛媛「今治城」は防御の仕掛け満載のユニークなお城


愛媛県今治市にある「今治城(いまばりじょう)」は、海水を引き入れて堀にした、全国的にも珍しい海城。
築城の名人と言われる「藤堂高虎(とうどうたかとら)」によって考え抜かれたアイデアが、いっぱいに詰まった見どころ満載の城郭となっています。
みなさんも城を攻め落とす武将の視線から、高虎と対決するような気持ちで見学してみるのも面白いかもしれません!?

海の近くに建設されたお城

写真:島塚 渓

今治城は、戦国の大名、藤堂高虎によって慶長7年(1602年)に建築が開始されたお城。
藤堂高虎は、生涯に浅井家、豊臣家、徳川家と何度も主君を変えたことで知られていますが、一方で「築城の名人」として、数々の名城の建設に携わった人物でもあるんです。

写真:島塚 渓

今回紹介する今治城にも、藤堂高虎のアイデアがいっぱい詰まっています。
もともと瀬戸内海沿岸の寒村に過ぎなかった今治を、水利の便や城下町の発展性などに注目し、居城に定めたのが高虎。広大な堀に海水を引き入れ、船を係留する船入(ふないり)を備えた海城として活用していきます。
現在でも、水路で海とつながっているため、潮の満ち引きによって水位が変わり、堀の中を鯛やチヌなどの海水魚が泳ぐ、珍しいお城となっているんです。

写真:島塚 渓

今治城は、砂が吹き上げられて出来た地形に建造されていることから、別名、吹揚城(ふきあげじょう)とも呼ばれています。
砂地の脆弱な地盤のうえに石垣を高く積み上げる必要性があったことから、高虎は堀と石垣の間に「犬走り(いぬばしり)」と呼ばれる小さな空間を設けました。これによって、基礎部分が固められ、石垣の崩壊を防ぐ効果が期待されたんです。

復元された天守に登ることも可能

写真:島塚 渓

現在見ることができるのは、昭和55年(1980年)にコンクリート造で建てられた模擬天守。
もともとの天守は創建後、京都府の亀山城に移築されたと伝えられていますが、明確な資料が少なく、実際の様子は、はっきりと分かっていません。そのため、移築先とされる亀山城の平面図や古写真をもとに復元されたのが、現在の今治城の天守となっています。

写真:島塚 渓

天守の形状は、五層六階の層塔型(そうとうがた)になっています。層塔型とは、寺院の五重の塔のような同じデザインの建物が、規則的に積み上げられた構造。姫路城などと比べると、スマートですっきりとした印象が特徴的です。
また、天守のなかは展示室として整備され、最上階の六階からは、城内はもちろんのこと、瀬戸内海やしまなみ海道を見渡すことができるようになっています。

防御のためのアイデアが満載

写真:島塚 渓

二の丸の入口は、城郭でしばしば見られる「枡形虎口(ますがたこぐち)」と呼ばれる形状をしています。これは四角い升のように入口を設計し、最初の門を破ったとしても、90度曲がった先にある次の門でふさがれ、周りから攻撃を受けるという仕組みです。
今治城では短冊状の鉄板を打ち付けた「鉄御門(くろがねごもん)」と呼ばれる堅牢な門を2番目に配置し、よりいっそう防備を固めているんです。

写真:島塚 渓

この画期的な枡形虎口を初めて取り入れた城が、高虎の設計した今治城だと考えられています。後に高虎が設計した江戸城などでも、同様の仕組みが採用され、枡形虎口は近世城郭のオーソドックスな形態となりました。
また、鉄御門は平成19年(2007年)に修復され、ケヤキやヒノキを贅沢に使用した内部も見学可能となっています。

写真:島塚 渓

枡形虎口の周囲を囲む石垣は、自然石を加工せず、そのまま積み上げた「野面積み(のづらづみ)」と呼ばれる方法が採用されています。
その正面のひときわ大きい「鏡石(かがみいし)」は、権力の象徴などの意味合いが含まれ、幅4.5メートル、重量が16トンもある巨大な石が使用されています。まさにお城作った人物の凄さを体現した造りとなっているんです。

今治城の基本情報

住所:愛媛県今治市通町3-1-3
営業時間:9:00〜17:00(入城は閉門の30分前まで)
入場料:一般500円、学生250円
2020年3月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
今治城公式ホームページ(外部リンク)
https://www.city.imabari.ehime.jp/museum/imabarijo/
今治地方観光協会 今治城ページ(外部リンク)
http://www.oideya.gr.jp/spot/area_imabari/history/imabarijo.htm

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
島塚 渓

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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