トヨタは時々ヤリスぎる!?
「20年ぶりのトヨタの4WDスポーツ」をうたう「GRヤリス」が、間もなくベールを脱ごうとしている。エンジンパワーやボディーサイズなどのスペックが伏せられた中で乗ったプロトタイプモデルから感じたのは、“トヨタの本気”だった。
ブレーキはポルシェ
2020年まで残りわずかという年の瀬に、一年で最大の衝撃を受けた。2020年に発売される「トヨタ・ヤリス」の高性能版、GRヤリスのプロトタイプに試乗したのだ。
ただし、用意された試乗車はたったの1台、これを路面の一部を散水車でウエットにしたクローズドコースで乗る。与えられた時間はわずか10分。急げ! 自分の順番になった瞬間、文字通り飛び乗る。
早速、新開発の1.6リッター直3ターボエンジンを始動する。窓を閉め切っていても、いかにもヌケのよさそうな排気音が耳に届く。重すぎず、軽すぎず、でもちょい重めかなというクラッチペダルを踏んで、シフトレバーを1速に入れる。そう、トランスミッションは6段MTだ。シフトレバーは東西南北、どの方向に動かしてもカチッとした手応えを伝える。シフトストロークも適切だ。
まずはアクセルペダルを踏まずに、アイドル状態でクラッチをつなぐ。特に気難しいそぶりも見せず、スーッと発進する。クラッチペダルの作動はスムーズだし、ミートポイントもわかりやすい。車両のスペックについては、エンジン排気量とターボ付きであること、あとは四輪駆動であるということ以外、ほとんど明かされていない。だからエンジンの詳細についても不明であるけれど、低回転域からトルキーであることは間違いない。
そこから踏み込むと、「コーン!」という乾いた音とともに気持ちよく吹け上がる。タコメーターの針は、3500rpmを超えたあたりから勢いが増し、同時に力感がみなぎってくる。音といい、回転フィールといい、元気なやつだ。慌てていたので記憶が曖昧ではあるけれど、レブリミットは7000rpmだったはずだ。そこまで一気呵成(かせい)に回る。そこで2速にシフトアップ。
クローズドコース内にはパイロンが置かれ、8の字旋回や定常円旋回などを行う簡易なジムカーナコースの設定となっている。ここを自由に走っていいとのこと。
気持ちよく加速してから、8の字旋回の入り口に向けてブレーキングして驚いた。ブレーキペダルの剛性感、地面に押しつけられるような減速感、そしてウエット路面でありながら盤石の安定感。目隠しをしてフルブレーキングをしたら、「このブレーキはポルシェです」と答えてしまうかもしれない。...