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流行りモノ調査隊 流行りモノ調査隊
#051 今週の急上昇キーワード(更新日:2008/07/15)
食中毒対策
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今回の調査内容
夏に急増!?食中毒
賞味期限と消費期限の違いって?
身を持って知る!!食べ物の限界!?
身を持って知る!!食べ物の限界!?
 筆者は今まで、賞味期限を過ぎたものは容赦なく捨てていた。しかし、前のページでも述べたように、賞味期限=食べられる期間ではない。食料不足が懸念されるこの時代、食べられるなら食べるべきだ!!ということで、賞味期限切れの食材を食べることで、食中毒にならない食材選びを、身をもって学習する。とはいえ危険がないように、専門家の意見を聞きながら検証する。今回検証するのは梅干、卵、うずらの卵の3品。

梅干の見た目がちょっと…… 1年物(?)の梅干
梅干の見た目がちょっと……
1年物(?)の梅干
 
 まず最初は梅干。これはかなりの年代モノで、賞味期限は不明。だが確実に1年以上前から冷蔵庫にいたという代物。梅干は塩分濃度が高いので、基本的にいつまでも腐らずに食べられる。しかし、近年の梅干は塩分濃度が低いモノが多く、その分賞味期限が短くなっており、腐ることもあるらしい。そして、カビにも注意が必要だ。食べる前によく見てみるが、どれもカビがついている様子はない。水分はなくなってしまった感じだが、匂いも普通の梅干という感じで、腐ってもいないようだ。あとはもう、食べて確認するだけだ。意を決してかじってみると、実が固い。やはり、水分がかなりなくなっているようだ。味は酸っぱさはあまり感じないが、かなり塩辛かった。塩分が固まっているようにも見えた。しかし、酸っぱいものが苦手な筆者には、むしろ食べやすく感じた。

これに決定!! しょっぱい……
これに決定!!
しょっぱい……

 次に挑むのは卵。卵の賞味期限とは、生で安心して食べられる期間であり、産卵日より約2週間後に設定されている。そこから平均気温に応じて、何日かはまだ生食が可能で、夏季だとおよそ2日である。しかし、この卵の賞味期限は6月13日まで。期限からはすでに3週間以上過ぎている。さすがに生食は無理だろう。日本卵業協会によると、安定して10℃以下に保たれている冷蔵庫なら、6ヶ月問題がなかった事例もあるとか!!しかし、卵の状態は割ってみなくては分からないそう。割ってみて卵黄が緑や黒っぽくなっていたら腐敗しているらしい。恐る恐る割ってみると、黄身は黄色いままだし、弾力も問題なさそう。しかし、白身がやや薄くなっているようだ。これは、卵が古くなってきている証拠で、卵の殻に開いている小さな無数の穴(気孔)から、水分が蒸散していくため、時間がたつと白身が薄くなってしまうのだ。でも、火を通すなら問題はない範囲のようだ。

完全に期限切れ…… 黄身はまだ弾力がありそうだ
完全に期限切れ……
黄身はまだ弾力がありそうだ

 卵を、電子レンジでポーチドエッグが作れる容器に入れて、2分間加熱する。レンジから出して中身を見てみると……、なかなかいい感じ。匂いもいつも食べている卵のものと同じだ。肝心の味だが、これはかなり黄身を固めに焼いた目玉焼きという感じ。調理段階で水分が少なかったのか、ビビッて加熱しすぎたのが悪かったのか、ポーチドエッグというよりはカラカラの目玉焼きという食感になってしまった。しかし、問題なく食べることができた。

これが秘密兵器
これが秘密兵器

どんな風になるかな? 普通にイケます
どんな風になるかな?
普通にイケます

 最後はうずらの卵。賞味期限は6月15日。こちらも賞味期限から3週間ほど経過。殻を割ってみると、白身は普通の卵よりさらに水っぽいが、黄身は問題なさそうだ。これもまた、先ほどの容器でポーチドエッグに。しかも4個を一気に食べてみる。またしても水分不足だが、匂いも味もいたって普通の卵。ぺろりと平らげられた。

こちらも3週間くらい期限切れ
こちらも3週間くらい期限切れ

白身が水っぽい 見た目は悪いですが……
白身が水っぽい
見た目は悪いですが……

 今回はかなりビビリながらの検証だったが、意外にも全部食べられるという結果に。多少味や見た目の変化はあったが、すべておいしく食すことができた。これはまずまず成功といっていいだろう。

 食中毒予防には三原則があり、それは「食中毒菌を付けない、増やさない、殺す」です。下記で具体的に説明させていただきます。

 【食中毒予防の3原則】
(1)買い物―新鮮な店で新鮮な物をスピーディーに
・商品の回転が早く、衛生管理の徹底した店で、新鮮な食品を見極めます。
・生鮮食品は、買い物の最後に購入します。
・買い物には時間をかけず、買い物が終わったら、買った物をすぐに持ち帰ります。

(2)保存―冷蔵庫の過信は食中毒のもと
・要冷凍、要冷蔵の食品は帰宅後すぐに冷蔵庫に入れます。
・入れる前に、ビンや缶は拭いておきます。
・冷蔵庫には詰めすぎません。
・食品はあまり長期保存せず使い切るようにします。
※菌は冷蔵庫では死滅しません。低温で増殖できる食中毒菌もいます。
・扉の開閉には気を配ります。
※冷蔵庫内の温度が上がると菌の増殖がはじまります。

(3)調理前―二次汚染の予防
・洗える食材はすべて流水でよく洗います。サラダ用に加工されたカット野菜も同様です。
・魚や肉を扱う時には、手、まな板、包丁などの調理器具は、食材が変わる毎にこまめに洗います。複数の食材を扱う場合に器具を洗わずに調理すると、二次汚染の元になります。
※特にまな板は包丁の傷目に細菌がたまりやすいです。熱湯消毒をして日光に当ててよく乾かすことが必要です。

(4)調理中―加熱調理は食中毒にもっとも有効
・食材は直前まで冷蔵庫で保管します。
※室温で長時間放置すると眠っていた菌が増殖しはじめます。
・食品の中心部まで75℃で1分間以上加熱します。これでほとんどの食中毒菌は死滅します。
※ハンバーグなど、ひき肉を使用する料理は食中毒菌を一緒に練りこんでしまうことがあります。中まで加熱し、食中毒を防ぎましょう。
※卵は殻にひびが入っていたり、古くなってしまった時には必ず加熱します。半熟にはせずしっかり加熱します。
※野菜も加熱すれば、さらに安心です。


(5)食事―できたらすぐに食べる
・加熱調理された食品は熱いうちに、冷やして食べる物は食べる直前に冷蔵庫から出して、冷たいうちに食べます。
・作り置きをする場合、必ず冷蔵又は冷凍保存をして、食べる時に十分に加熱します。

(6)食後―次の食事のために
・調理器具や食器などは、食べ終わったらできるだけ早く洗い、調理台や三角コーナー、シンクなども毎日洗浄して、キッチンを清潔な状態に保ちます。
・残った料理は手をつける前に分けて、必ず冷ましてから冷蔵庫へ。ラップで包むのをお忘れなく。
・古い食材、料理にはあきらめも肝心です。食べる場合は状態をよく見て、よく火を通してください。

(7)残った食品
・残った食品を扱う前にも手を洗います。
・残った食品はきれいな器具、皿を使って保存します。
・残った食品は早く冷めるように、浅い容器に小分けにして保存します。
・残った食品を温め直す際も十分に加熱します。目安は75℃以上です。
 味噌汁やスープなどは沸騰するまで過熱します。
・ちょっとでも怪しいと思ったら、食べずに捨てます。口に入れるのはやめましょう。

 ◆お弁当について
・前日に調理したおかずを使用する時は、入れる前に過熱し、必ず冷ましてから入れます。
・温かいうちにはふたをしません。
※温かいうちにふたをすると、お弁当箱の中は食中毒菌が増殖しやすい環境になります。
・お弁当は長時間持ち歩いたり、持ち帰って食べたり、翌日食べたりするのは厳禁です。

 ◆海外旅行では生水と生ものに注意
・大事なのは、生水・生ものを口にしない事です。
・海外旅行に行く時は、ガイドブックなどで、現地の衛生状態をしっかりと確認します。
・暑い地域や衛生状態のよくない地域では、食品や水を通じて病気がうつる可能性が高いので、以下の点に注意します。

<暑い地域や衛生状態のよくない地域で気をつける事>
……生水は病気の原因になるので飲んではいけません。飲む場合は生水を3〜5分間沸騰させます。
水分を取りたい時は、缶・ビン・ペットボトル入りの飲み物で、信頼できるメーカーの物を飲みます。

……氷も、病気の原因になる可能性があります。信頼できる飲料店以外では、氷入りのジュースや酒、かき氷などは避けます。

魚介類、肉、野菜、乳・卵製品……魚介類、肉、野菜は、十分に火の通った物を食べます。十分火の通っていない乳・卵製品、自家製アイスなどは避けます。信頼できる飲食店以外では食べないようにします。

果物……果物は、清潔な飲料水で洗うか、衛生状態が悪い水しかない場合は清潔なハンカチなどで汚れをとってから皮をむき、すぐに食べます。信頼できる飲食店以外では、カットフルーツは避けます。

<暑い地域以外の旅行先で注意したい事>
自家製マヨネーズは、生卵を使用しているので、サルモネラ食中毒などの原因となる事があります。未殺菌乳で作ったチーズは、リステリア食中毒になる事があるので注意します。

 ◆かわいい動物にも気をつけて!
かわいい動物たちとずっと仲良くしていくために、動物からうつる病気を防ぐためのポイントを紹介します。かわいいペットと触れ合う時も自分の健康には気をつけます。

・ペットの体の表面には、寄生虫の卵や、細菌、ウイルスが付いているかもしれません。動物に触った後、手を洗わずに食事をしたら、感染してしまう可能性があります。ペットを台所や食卓に近づけないようにします。
・口移しや、自分が使っている箸でエサをあげるのはやめましょう。同じ食器を使うのもやめます。また、ペットのだ液がついたらよく手を洗います。動物の口の中には、人にうつる細菌やウイルスがいるかもしれません。
・エサや水を取り扱った後には手を洗います。
・ペットフードは人が食べるためのものではありません。特に、小さい子供がむやみに口に入れないように注意します。
・ペットの身の回りをきれいにします。飼っている場所はこまめに掃除し、フンはすぐに処理します。乾燥したフンは空中に舞い、食品を汚染したりします。換気もしっかりしましょう。エサと水が余ったら早めに片付けましょう。
・ペットのブラッシング、シャンプーなどは定期的に行いましょう。
板垣雪絵先生<取材協力>
ゆきクリニック院長:板垣雪絵先生
帝京大学医学部卒業後、帝京大学内科学教室にて研修。研修終了後、社会保険中央総合病院病棟、外来、内視鏡センター勤務を経て平成17年、内科、消化器科、肛門科、皮膚科、ゆきクリニック開院。
 また、今回の検証では問題なかったが、保存状態によって保存できる期間が変わってくるので注意が必要。賞味期限切れの食品を食べる際には、その食品の状態をしっかりと確認し(匂いや色の変化など)、不安な場合はメーカーなどに確認したほうがいいだろう。食べる場合はあくまでも自己責任でということをお忘れなく。
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