(更新:)
オリコンニュース
【話題のマンガ試し読み】年齢逆転×溺愛…人気作家が挑んだ人生再生物語「単純な“ざまあ”展開にはしたくなかった」
現実における人生再生物語、自己解決力のあるヒロインが書きたかった
――本作は、以前の自分とは異なる視点や経験を通して、新たな人生を歩む「若返り」をテーマに描かれています。主人公やその周辺の登場人物の設定など、苦労したことはありますか。
クレイン先生 単純に時間を遡らせるのではなく、取り返しのつかない現実における人生の再生物語が書きたいなと考え、主人公であるパトリシアを若返らせることにしました。そこから彼女を若返らせるギミックを考え、テオヴァルドの能力の設定が固まり、2人の関係性も自然に決まりました。設定の時点では、それほど苦労はしなかったと思います。
――若返りをテーマに作品を描く上で、前後の展開が重要になると思いますが、気をつけたことはありますか?
クレイン先生 ただ単純なざまあ展開にはしたくなかったので、読者が当然抱くであろう父や兄に対する嫌悪感を、納得していただける範囲に落とし込もうと試行錯誤しました。また、中身は大人とはいえ外見は子どもであるパティに執着を見せるテオヴァルドが、できるだけ変態っぽくならないよう、気をつかいました。
――パトリシアは、努力と判断力で困難を乗り越える“地に足のついた”リアル志向のキャラクターです。読者が感情移入しやすく、とても魅力的ですが、どのような思いのもと主人公を描いたのでしょうか?
クレイン先生 個人的には、強かったはずのヒロインが恋をしたことで弱くなる展開が、どうにも好きになれず。また、ヒーローが手持ちの権力や資金力を行使して、ヒロインの問題すべてを一方的に解決してしまう展開にも若干の抵抗感がありまして…。そのため最初から最後まで強くて脳筋な、打たれ強く自己解決能力のある元気なヒロインを書こうと考え、パトリシアは生まれました。なので最終話まで、パティの性質は変わらずこのままだと思います。
――パトリシアとテオヴァルド(元部下で現王)の恋愛が最大の見どころですが、「若返り」する前は、後悔や伝えられなかった気持ちなど、甘い恋愛だけでなく切なさもあり、深い感情の積み重ねがあります。2人のラブストーリーを描く上で、どのように考えましたか?
クレイン先生 パティとテオは、年齢だけではなく上司と部下という立場も逆転しており、かつては理解できなかったお互いの立場や思いも、理解できるようになっています。だからこそ対等な立場で、互いを支え合うような恋をさせたいなと考えています。
それぞれの苦悩や覚悟、欠点に共感も…綿密に描かれた登場人物の人柄や設定
クレイン先生 若返る前のパトリシアにとって、テオヴァルドはあくまでも庇護する対象であり、小指の先ほども異性として認識していません。もし若返りがなかったら、テオヴァルドの恋の成就は相当難しかったと思います。そこで年齢が逆転することにより、心は大人で見た目は子どもなパティが、かつて知っている幼いテオヴァルドと、大人になったテオヴァルドとのギャップに翻弄され、庇護対象だった彼を1人の男として意識するようになります。その際に生じる苦悩や覚悟はしっかりと描くようにしています。
――「可愛い部下」がら「最恐王」に変わるテオヴァルドも魅力的なキャラクターです。彼にはどのような想いがありますか?
クレイン先生 少年から青年への変化ってものの数年で、しかも急激なんですよね。子犬だと思っていたテオが、すっかり大人の男になる。そのギャップが書いていて楽しいですし、良いなと思います。テオが大人になった後も、たびたび少年期の彼を登場させたくなりますね。特にテオはパトリシアを目の前で失い絶望することで、一気に大人にならざるを得なかった。パティと再会して少しずつ少年期の子どもっぽさを取り戻していたりもします。
――クレイン先生のお気に入りシーンや、生み出すのに苦労したシーンやセリフを教えてください。
クレイン先生 この作品で一番のお気に入りは、25話でパティとテオが背中合わせになって共闘し、その後テオがパティに説教をされる場面です。2人の関係性を象徴するようで、ここまで至るために、話を積み上げていった感があります。この場面の完成原稿をいただいた時、「ああ、ここまで来た…!」とものすごく感慨深かったです。
――クレイン先生の作品には、登場人物の感情の機微を丁寧に描き出し、感情豊かな魅力あふれる個性的なキャラクターが多く登場しますが、描く際に大切にしていることを教えて下さい。
クレイン先生 例えば、パティなら脳筋で細かいことを考えるのが苦手だったり、テオは根に持つ性格で過去のことをいつまでもネチネチと引きずっていたり、ロランドは言わないでいい余計なひと言が多かったり、あえてキャラクターに共感できるようなわかりやすい欠点を作るようにしています。
“若返り”と“傷ついた人たちの人生再生物語”のダブルミーニングも…タイトルに込めた想い
クレイン先生 仕事をしていると、良くも悪くもいろいろな方と関わらざるを得ないので、人間観察が捗りました。いろいろな考え方をしている人を見て、キャラクター作成に役立った気がします。会社員時代に仕事ができる上司がいて、人当たりも良く、私を含めた部下からの信頼も厚かったのですが、ふとした瞬間、彼がものすごく野心家で腹黒い方だということに気付いてしまったことがありました。それをもとにそのまま当て書きし、キャラクターを作ったこともあります。
――SNSなどでは、ストーリーに関する考察も賑わっています。クレイン先生の作品は人気が高く、「作家買い」するファンが多くいます。題材を決める時や作品を描く際に大切にしていることはありますか?
クレイン先生 現実はそう甘くはないとわかった上で、せめて創作の中くらいは綺麗事を言いたいと、報われるべき人間が、正しく報われる話ばかりを書いています。そのため、私の作品は基本的にハッピーエンドで、あまりストレスを感じずに読んでいただけるのではないかと思います。またできるだけ読みやすい文章を書くように、心がけています。
――“年齢逆転&溺愛”という恋愛だけでなく、登場人物たちそれぞれの想いや置かれている状況や立場に葛藤する人間ドラマ、宮廷内に渦巻く陰謀といったサスペンスとしての側面もあります。本作を通じて、読者に伝えたいことを教えてください。
クレイン先生 『再生魔法が効きすぎた!』というタイトルなのですが、若返る以外にも、傷ついた人たちの人生再生物語というダブルミーニングであったりします。もう立ち直れないというくらいに傷ついても、後悔に苛まれても、いずれは時間や親しい人に癒され、人間はまた立ち上がれるようになるのでは…そうあってほしいな、という願いを込めています。
――8月17日より第2シーズンが始まりましたが、初めて触れる人も読み始めるのに最適のタイミングです。ネタバレにならない程度に、今後の展開や見どころを教えてください。
クレイン先生 これから徐々にテオやロランドの過去が明らかになっていきます。彼らがどういった選択をして生きていくのか、第1シーズンで残されたままの謎や、問題が1つずつ解決していきます。ノンストレスで楽しい作品を目指しておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただけますと幸いです!
『再生魔法が効きすぎた! 人生やり直したら、王様になった元部下に溺愛されています』
◇「LINEマンガ」にて配信中(毎週日曜更新)
産褥で母を亡くした伯爵令嬢のパトリシアは、家の人間に疎まれ13歳で伯爵家を飛び出し国軍に入隊する。実力主義な環境下でのびのび暮らしていた中、かつての自分と同じ境遇の年下第三王子・テオヴァルドが部下としてやって来た。すっかり懐いたテオヴァルドを可愛がりながら、パトリシアは軍人生活を謳歌していた。しかし、とある戦闘でテオヴァルドをかばってパトリシアは命を落としたはずだったが、目覚めた彼女は子どもの姿なり、別人としての人生を歩み始めることになる。二度目の人生は、元家族から溺愛され、かつての部下は最恐の王となり彼女に執着してくる――。
原作・脚本:クレイン
キャラクターデザイン:花栄
ネーム:ひぐち
着彩・仕上げディレクション:金田旭永、白土若奈(MUGEN FACTORY)
背景ディレクション:金子亜理沙(MUGEN FACTORY)
編集:田口彩花(MUGEN FACTORY)
制作:MUGEN FACTORY
■LINEマンガで『再生魔法が効きすぎた! 人生やり直したら、王様になった元部下に溺愛されています』を読む!
◇「LINEマンガ」にて配信中(毎週日曜更新)
産褥で母を亡くした伯爵令嬢のパトリシアは、家の人間に疎まれ13歳で伯爵家を飛び出し国軍に入隊する。実力主義な環境下でのびのび暮らしていた中、かつての自分と同じ境遇の年下第三王子・テオヴァルドが部下としてやって来た。すっかり懐いたテオヴァルドを可愛がりながら、パトリシアは軍人生活を謳歌していた。しかし、とある戦闘でテオヴァルドをかばってパトリシアは命を落としたはずだったが、目覚めた彼女は子どもの姿なり、別人としての人生を歩み始めることになる。二度目の人生は、元家族から溺愛され、かつての部下は最恐の王となり彼女に執着してくる――。
原作・脚本:クレイン
キャラクターデザイン:花栄
ネーム:ひぐち
着彩・仕上げディレクション:金田旭永、白土若奈(MUGEN FACTORY)
背景ディレクション:金子亜理沙(MUGEN FACTORY)
編集:田口彩花(MUGEN FACTORY)
制作:MUGEN FACTORY
■LINEマンガで『再生魔法が効きすぎた! 人生やり直したら、王様になった元部下に溺愛されています』を読む!