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出荷率わずか0.3%以下…メリットほぼゼロの“和式トイレ”はこのまま絶滅するのか? TOTOに聞く

和式は節水にも限界が…それでも出荷ゼロにならない理由

 子どもたちもさることながら、腰掛けるタイプの洋式トイレは足腰の弱った高齢者にも優しい。

「2016年の熊本地震の際、私もたまたま出張で被災したため、避難所に行くことになりました。被災者には高齢の方も多く見かけました。その後のアンケート調査でも避難所となっていた学校や公共施設のトイレが『和式で使いづらい』『手すりがなくて怖い』といった声がたくさんありました」

 TOTOに現在オーダーがある0.3%の和式トイレは、そのほとんどが公共施設だという。それはなぜか?

「不特定多数が使用する公共施設のトイレはどうしても和式のほうがいいという人が少数ながらおり、施設側からも『一つだけ和式にしたい』といった要望をいただくこともあり、ごくごく少数ながら製造しています」

 それでもなお、洋式化のメリットは多いと松竹さんは言う。

「たとえば洋式トイレは節水機能も非常にアップしており、最新の製品では3.8リットル。しかし和式トイレは構造上、節水にも限界があり、最も少ない製品でも8リットルを要します。また洋式トイレは床に置いて設置しますが、和式トイレは床に埋め込む工程が必要ですので、施工費もかかってしまうんです」

 コスパでも圧倒的に洋式トイレに軍配が上がった。では今後、“進化型和式トイレ”というものは現れないのだろうか。

「洋式トイレですと暖房便座やフタの自動開閉といった機能も付けられるのですが──。ちなみにTOTOでは和式用のウォシュレットを販売していた時期もあったのですが、やはり使い勝手の面で課題も多く2005年に廃番になっています。抗菌加工や汚れがつきにくい加工などの進化はありますが、それは洋式トイレにも施している加工ですし、今後、和式トイレが大幅にアップデートすることは考えづらいと思われます」

 結論、和式トイレの未来は明るくないと言えそうだ。
(取材・文/児玉澄子)

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