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少子高齢化でも増える新築マンション、決め手はどこ? Z世代は「ブランド信仰よりもライフスタイル重視」

  • 「プレミスト昭島モリパークレジデンス」の外観

    「プレミスト昭島モリパークレジデンス」の外観

 2022年に微減した新築マンションの供給が再び増加に転じている。かつては都市部ではマンション、地方・郊外は戸建て志向が強かったが、近年は再開発に伴う大規模マンションの建築が全国的に活発だ。少子高齢化を背景に人口が減少しているにも関わらず、マンションの総戸数が増え続けるのはなぜか。人々のライフスタイルや価値観とともに変化する住まいの形の今とこれからについて、地方にも精力的に分譲マンションブランド「プレミスト」を展開する大和ハウス工業に話を聞いた。

進む地方都市開発「札幌や沖縄は、道外や県外からの契約者が半数を超える物件も」

まるで首里城のよう…「プレミスト首里金城」

まるで首里城のよう…「プレミスト首里金城」

 少子高齢化に伴う人口減少が止まらない。中でも影響が大きいのは都市部への人口流出が加速する地方で、2040年には全国896市町村が消滅すると推算されている。

 一方で新築マンションの供給は年々増加。近年は首都圏のみならず、かつては戸建て志向が根強いとされてきた地方都市での大規模マンション開発が目覚ましい。他社デベロッパーに先駆けて大和ハウス工業は、地方でのマンション開発も積極的に行っている。

「マンションを初めて購入される方のコアはプレファミリー/ファミリー層ですが、一方で50代以降の住み替えやセカンドハウスとして購入されるご契約者も増えています。例えば、医療や商業施設が整備された駅近のマンションに住み替える方や都市部と地方圏の他拠点居住に関心が高いアクティブな現役世代の方などです。札幌や沖縄などは、道外や県外からの契約者が半数を超える物件もあります」

 一方、コロナ禍を経て、顕在化した富裕層などによる投資としての購入を増えているという。

「特に人口減が著しい地方では公共インフラや商業施設、仕事、医療、文化、学びといった都市機能、そして住まいを集積させた"コンパクトなまちづくり"が盛んに進められています。こうした再開発の目的は住む人の生活の質を向上させ、ひいてはエリアの魅力や価値を上昇させること。社会課題の解決は弊社の創業以来のミッションであり、地域活性に繋がるマンションの供給や、再開発プロジェクトへの参画はさらに積極的に取り組んでいく予定です」

「マンション内でアクティビティまで完結させたい」需要の増加 共有施設にサウナや体育館も

  • 「プレミスト千葉公園」キッズルーム

    「プレミスト千葉公園」キッズルーム

  • 「プレミスト藤が丘」ブックラウンジ

    「プレミスト藤が丘」ブックラウンジ

  • 「プレミスト昭島モリパークレジデンス」サウナルーム

    「プレミスト昭島モリパークレジデンス」サウナルーム

 ハウスメーカーとして実績を誇る大和ハウス工業の強みの1つは、全国各地に事業所、住宅展示場を有していること。こうしたネットワークを駆使し、マンション事業においても“建てて終わり”ではなく、その土地に継続して根差し、管理体制や物件価値の維持といったきめ細かなアフターフォローを一貫している。

「また長年のハウスメーカーとしての活動によって、その土地の特色やニーズを熟知しているのも弊社の強みだと考えています。特に地方は気候や文化などその場所にあったマンションを提供すべく、プレミストシリーズはデザインを画一化せず、その土地に必要とされる性能やデザインを盛り込む、マンションづくりにこだわっています」

 特に戸数が多い大規模マンションは共用スペースにも注力。海沿いのエリアにはサーフボード置き場や雪深い地域ではスノータイヤなどのレジャー用品が収納できるトランクルームのほか、体育館やドッグラン、BBQ広場、大型ランドリー、最近ではサウナを設けたマンションもある。

「コロナ禍を経て、マンションの敷地内で生活からアクティビティまで完結させたいというニーズがとても増えました。また、テレワークができるスペースや個室ブースを設けたマンションが増えています。現在もテレワークを継続している企業にお勤めの方に好評いただいていますね」

 資材の高騰や建設従事者不足などでマンション価格は値上がりしているが、一方で長らく続く低金利がマンション購入の追い風となっている。

「また最近は断熱性能や省エネ性能が高く、さらに再生可能エネルギーなどによって年間の一次エネルギー消費量の削減を目指す、いわゆるZEHマンションが飛躍的に普及しています。『プレミスト』シリーズではすでに複数のマンションでZEH−Mを導入しており、2024年度以降に着工する物件はすべてZEH−M仕様とする予定です」

今後課題はZ世代「小さい時に大きな自然災害を経験したり、環境問題が身近にあったりしたため、総じて意識が高い」

  • 「プレミスト旭川ザ・タワー」オーナーズラウンジ

    「プレミスト旭川ザ・タワー」オーナーズラウンジ

 「プレミスト」ブランドが誕生した2007年頃は、耐震偽装事件やサブプライムローンといった社会問題を背景に中小デベロッパーの倒産が相次ぎ、不動産不況とともにマンション供給も急激に減った時期だった。

「ちょうどこの時期に、弊社マンションブランドの認知度を高めることや、さらなる安全性が快適性を追求するために、4つのマンションブランドを1つにし、『プレミスト』が誕生しました」

 ブランドとは信頼の証であり、消費者のマンション選びもブランド名が手掛かりになるところが大きかった。

「コロナ禍を経験し、働く場所や住まい方の価値観は大きく変わりました。また、いわゆるZ世代はブランドよりも自分のライフスタイルにフィットしたものを選ぶ傾向にあると言われています。また小さい時に大きな自然災害を経験したり、環境問題が身近にあったりしたため、総じて意識が高いのも特徴です。環境負荷軽減などSDGsの取り組みを更に強化していくとともに、企業と顧客のコミュニケーションのあり方を今後さらにアップデートしていく必要があると感じています」

 人口減少が続くとともに未婚率も年々増えており、一人世帯を含めれば日本の総世帯数は増加傾向にある。一人暮らしが増えれば、戸建てと比べて居住スペースは狭くとも利便性の高いマンションの需要は相対的に高まるだろう。Z世代がマンション購入のコア層になったときに日本人の住まいはどのような形をしているのか、これから新築されるマンションに注目したい。
(取材・文/児玉澄子)

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